社説:被災地支援 生活再建の知恵絞ろう

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 西日本の広い範囲に大雨特別警報が出されて1週間が過ぎた。

 河川の氾濫や土砂崩れの被害を受けた地域では、道路など生活インフラの復旧作業が始まっている。60人を超える行方不明者の捜索活動も続いている。

 一方で、これから進捗(しんちょく)に差が生まれかねないのが、浸水被害を受けた住宅の後片付けや清掃など、個々の被災者の生活再建だ。被災地には高齢者だけの世帯が多い。自宅に流れ込んだ大量の土砂を前に途方に暮れている人もいる。被災弱者をきめ細かく支援することが必要だ。

 今週末からの連休で、ボランティアとして被災地で活動する人も多いのではないか。京都市のボランティア団体は福知山市内で被害を受けた家の清掃などに取り組む予定だ。

 ただ、被災地に向かう道路は各所で寸断されている。求められる活動もさまざまだ。現地で混乱せず適切な活動をするために、被災自治体が提供するボランティア募集情報を確認してほしい。

 被災地も猛暑が予想されている。乾いた泥やほこりを吸い込まないためのマスクやゴーグルはもちろん、肌を露出しない服装で身を守って行動したい。スコップなどの資機材や食料、水の持参は不可欠だ。被災地に負担をかけないよう心がけたい。

 被災地を訪れなくとも、ふるさと納税制度を活用して被災自治体を支援する方法がある。

 ふるさと納税を紹介する大手インターネットサイトでは、被災を申し出た自治体に対する返礼品なしの寄付を受け付け、すでに3億円を超える金額が集まっている。

 被災者個人に渡るのは義援金で、ふるさと納税は自治体への寄付になる。どちらも重要だ。自分はどちらを望むのかを考えて選んでほしい。

 避難生活をしている被災者は6千人を超える。京都府内でも約90人が避難している。政府は公営住宅や民間賃貸住宅など約7万1千戸を確保し、順次、入居者の募集を始めるという。

 ただ、確保した住宅が全て被災者の望む場所にあるとは限らない。多くの被災者は地元で暮らしながら生活再建を目指すはずだ。

 広範囲で冠水した岡山県倉敷市真備町などでは町内に仮設住宅建設を望む声が出ているという。

 今回の災害の規模は大きく、復旧・復興作業の長期化は避けられない。国や自治体は被災者の声にしっかり耳を傾ける必要がある。