短歌で100店舗紹介 天神橋筋の魅力PR

短歌を作るため、商店街関係者に取材をする高田さん(左)=大阪市北区
100首分のポスターを披露した展示会=大阪市西区

 天神祭を盛り上げる地元商店街の取り組みがきっかけとなり、短歌による店紹介というユニークな地域振興策へと発展している。毎年祭りをPRする女性たちを選出する中で、その“卒業生”の歌人が「お世話になった恩返し」にと、100店舗の魅力を詠んだ100首を制作。「多くの人に行きたいと思ってもらえれば」と願っている。

 天神祭の神事を担う大阪天満宮に隣接し、日本一長い商店街と称される天神橋筋商店街(大阪市北区)。このうち1〜3丁目でつくる天神橋筋商店連合会は2003年から、祭りをPRする「天神天満花娘」を毎年選出してきた。その1、2期生を務めた歌人・高田ほのかさん(36)=大東市=が短歌による店紹介を企画した。

■魅力を凝縮

 高田さんは、花娘のPR活動中に商店街の店主からもらった励ましの言葉に感激。「恩返しになれば」と、13年から店主の思いをくみ取る取材をし、毎年20店舗、20首程度を制作してきた。

 店主のこだわりや店の特徴を、「五・七・五・七・七」の31音で表現。パンケーキの店のおもてなしの姿を捉えた「『またどうぞ』おじぎを続ける八秒間夏の空気がヒタリと止まる」や、そば屋のこだわりの作り方を表現した「赤ん坊の背を抱くように真っ白な?(めん)を両手でふわりと掬(すく)う」などが並ぶ。

 こだわりの茶と店内の雰囲気が、「萩(はぎ)の葉柄の背あてに沈み和綴(と)じをひらくああこの店は市中の山居」と表現されたカフェ「大阪茶会」の児玉薫代表(52)は「店の魅力が凝縮されていてすばらしい」と、短歌による取り組みを歓迎していた。

■守る商い文化

 店の写真と短歌を合わせた画像100枚を、デザイナーらとともに仕上げ、1冊にまとめた冊子を作成。今月6日には、一枚ずつポスターにした展示会を大阪市西区の市立中央図書館でスタートさせた(18日まで)。

 8月5〜8日には天神橋筋商店街の「天三おかげ館」でも実施し、同4日には大阪天満宮で関係者との対談や、歌を詠み合う「歌合わせ」を行う予定だ。

 高田さんは「短歌は1300年前から、絶えず詠み続けられるほど強い力を持っている。その力で商店街の商いの文化を守っていくことに貢献できれば」と思いを込めていた。

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