鶴岡凱旋、歌舞伎で魅了 中村橋吾さん、16日の公演に出演

 鶴岡市出身の歌舞伎俳優中村橋吾(はしご)さん(38)=本名和田尚登=が、16日に同市の荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で開かれる松竹大歌舞伎に出演する。師匠・中村橋之助さんの八代目中村芝翫(しかん)襲名披露公演で、同館の開館記念事業の一つ。初の凱旋(がいせん)となる橋吾さんは「大きな縁を感じる。故郷の人たちに歌舞伎の面白さを知ってほしい」と語る。

 橋吾さんは5歳のころに左腕を複雑骨折し、リハビリとして日本舞踊を習い始めた。10年ほど続けるうちに演劇にも興味を持つように。「東京に行き、人と変わったことをしたい」という思いも強く、歌舞伎界に飛び込んだ。鶴商学園高(現鶴岡東高)在学中に歌舞伎俳優養成所の試験に合格。高校卒業後、東京で2年間、歌舞伎の芝居や歴史、三味線などを学んだ。

 研修修了後、現芝翫さんのみえにあこがれ、成駒屋に入門。同時に「はしごを一段一段踏み外さず、大事に上ってほしい」との思いが込められた「橋吾」の名をもらった。その名の通り、真面目に稽古に励み、2013年に「名題」の試験に合格した。

 橋吾さんは「歌舞伎は難しいイメージがあるが、人情ドラマや恋愛のほか、SFといった非現実的な話もあり、物語自体が面白い。何百年も前に創意工夫した演技の『型』が今も残っている」とし、「観客を魅了し、皆さんに愛される役者になりたい」と話す。

 鶴岡公演では「人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)」で女郎屋の店員を演じる。自身の出番は少ないが、「師匠から出世役と聞いた。大事に演じたい。歌舞伎を知る機会はなかなかないので、皆さんに楽しんでほしい」と話した。

 昼、夜の2回公演でいずれも特等席7千円、1等席6千円。昼の特等席は完売した。問い合わせは同館0235(24)5188。歌舞伎俳優 現在約300人おり、歌舞伎界の出身ではない一般人がなるには日本芸術文化振興会が運営する養成所での研修が必須。顔見世興行などで看板が出る「名題」と「名題下」のランクがあり、名題になるには試験に合格する必要がある。

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