着物男子、人気です デニム素材やベルト帯など新アイテム続々

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着やすい工夫を凝らしたはかまなどを販売する「和次元 滴や」(京都市下京区)

 シンプルなデザインが主流だった男性用着物で、ファッション性の高い商品が豊富に出回り始めた。ベルトのように付けられる帯や刺繡(ししゅう)入りのはかま、デニム素材の着物などが登場。専門に取り扱う店もあり、好調な売れ行きを見せている。業界団体も、今春から男性着物の振興策に取り組み始めた。これまで手つかずだった市場が活気づいている。

■着物初心者向けセットが人気

 呉服店の宮川徳三郎商店(京都市西京区)は昨年、帯に金属製の留め具をつけ、ベルト同様に装着できる「角帯ベルト」を開発した。本革を使い、風合いや和装らしい着姿にこだわった。オリジナルのデニム製はかまも考案。新しい着こなしを提案している。

 インターネット専門店「男着物の加藤商店」を運営するのが、京友禅の丸染工(下京区)だ。ポリエステル素材の初心者向け10点セットが人気を集めている。昨年末には社内に専用の相談窓口も設けた。加藤大典店長(42)は「顧客がじわじわと増え、10回以上のリピーターもいる」と手応えを語る。

 男性呉服専門店「和次元 滴(しずく)や」(上京区)は、バックルを取り入れるなどの工夫を凝らしたはかまを販売している。今夏は刺繡を施したはかまや、レースのマントなどの新作を発表した。海外でのアニメ人気の影響で、外国人も訪れるという。東京の高島屋新宿店にも、6月20日から2週間出店した。

 和装商社の京都丸紅(下京区)も、ポリエステルの男性用着物の需要が増えていることから、より上質な着物などで市場開拓を検討しているという。

 東京で人気の男性用着物専門店を営む藤木屋は6月29日から3日間、京都市下京区の商業ビルに期間限定で出店し、浴衣を販売した。藤木屋幹助社長(37)は「着物の聖地、京都で挑戦したかった」と話す。同社はデニム素材の着物をはじめ、市松模様の足袋やコートに合わせられる筒袖の着物などを次々に発表。「洋服のように着られる着物を」(藤木屋社長)という狙いが当たり、売上高は2017年12月期が前期の1・6倍に成長。今年の1~6月も前年同期比120%と快走を続ける。

■着物で食事会も

 京都織物卸商業組合によると、男性用着物は呉服小売市場に占める割合が2~3%と少ないが、最近は企業経営者らが着物姿で集まる食事会が増えるなど、関心が高まっているという。同組合染織呉服部は、男性組合員が着物姿で市内の観光地を巡る振興イベントを今年3月に初めて開いた。同部の房本伸也部長は「男性が着物を着ると、女性に向けた和装の普及にもつながる」と期待している。