沖縄を彫った版画家、儀間比呂志さん 県立博物館・美術館で追悼展開幕

 昨年4月に死去した画家で版画家、絵本作家の儀間比呂志さん(1923~2017年)を追悼する個展「儀間比呂志の世界」が13日、沖縄県立博物館・美術館で開幕した。同館所蔵作品を中心に戦争版画シリーズや油彩など多種多彩な94点と関連資料が展示されている。来年1月6日まで。

 沖縄戦を描いた戦争版画に始まり、手彩色の「みやらび」シリーズ、100号サイズなど大作の油彩、絵本「ふなひき太良」の原画が並ぶ。1950年代半ば、沖縄で初個展を開いた際に展示した色紙や挿絵に使われた雑誌「青い海」も陳列された。

 オープニングセレモニーには儀間比呂志さんの妹や弟4人も出席。東京に住む進さん(77)が10歳の時、比呂志さんから贈られた手紙も展示された。進さんは「戦後、兄が大阪で生きていると伝えてくれた手紙を67年ぶりに見ることができた」と感無量の様子。妹の山田和子さん(90)=那覇市=は「沖縄に向き合って制作していた兄の思いに改めて触れることができた」と話した。

 版画80点は第2期の9月26日からは全て別の版画80点に替わる。会期中の総展示数は174点に上る。

 会期中はギャラリートークや絵本読み聞かせ、追悼シンポジウム、美術講座など関連催事がある。

 一般310円、高校大学生210円。県内の小中学生と70歳以上は無料。問い合わせは同館、電話098(941)8200。

儀間比呂志さんの作品に見入る来場者=13日午前、那覇市の県立博物館・美術館(国吉聡志撮影)

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