「氾濫危険水位」実際の危険度は? 兵庫県内最大河川の場合

7日の加古川の様子。JR神戸線の橋梁の橋桁まで水が迫った=加古川市米田町船頭

 西日本を襲った豪雨により加古川下流域は一時「氾濫危険水位」に達した。氾濫が起きる恐れのある状態を示し、インターネット上には「氾濫する寸前」「これはやばい」など不安の声があふれた。実際に岡山県では川が決壊し、逃げ遅れた多くの住民が犠牲となった。かつては何度も氾濫を繰り返してきた、兵庫県内最大の河川、加古川はどのくらい危険な状態だったのか。(切貫滋巨)

■過去に4回のみ

 加古川の水位は7日午前11時40分ごろ、加古川市上荘町国包の観測所で氾濫危険水位の4・7メートルを超え、一時4・75メートルまで達した。マラソンコースなどのある広大な河川敷が濁った水で覆い尽くされるなど、平常時の穏やかな風景は一変。川に架かる橋のすぐ下まで水が迫った。

 同観測所で過去に4・7メートルに達したのは、記録が残る1972年以降でたった4回。これまでの最高水位は83年の台風時の5・72メートル。平成に入ってからは、豊岡市の円山川が氾濫する被害などがあった2004年の台風23号時(4・77メートル)以降はなく、およそ10年に1度程度の異例の状態であることが分かる。

 市によると80年代前半まで、加古川はたびたび堤防が決壊したと記録される。改修工事の効果もあり、83年に同市上荘町で堤防が一部崩落したのを最後に、決壊や氾濫は起きていない。

 氾濫の危険度を示す水位はレベル1~5まであり、氾濫危険水位はレベル4。市町長が避難勧告を発令する目安となる。レベル5は「計画高水位」で6・76メートル。計画上、川の堤防が耐えうる最大の水位とされる。

■「余裕あった」と国

 加古川を管理する国土交通省姫路河川国道事務所によると、氾濫危険水位は避難勧告を受けて住民が避難する時間も見込んで設定しているといい、担当者は「危険度は高まっていたが、すぐさま氾濫するという段階ではなかった。(ほぼ堤防の上端に相当する)計画高水位までは約2メートルの余裕がある上、実際の堤防はそれ以上の高さで整備されていることが多い」とする。

 一方で「水位が堤防上端に達する前に決壊が起きる可能性はあり、降雨の見通しなども合わせて危険度を判断しなければならない」とする。

 市が作成した「洪水ハザードマップ」によると、加古川やその支流が氾濫した場合、川沿いを中心に市内の多くの地域で浸水する可能性がある。人口が密集する加古川町などもほとんどが浸水域に含まれるほか、平荘町や神野町などの一部では3~5メートルの浸水が想定されている。

 同市危機管理室は「自宅のある地域は浸水する可能性があるのか、マップで事前に確認してほしい」と呼び掛けている。 【氾濫の危険度を示す水位】河川ごとに設定され、加古川ではレベル1の水防団待機水位=1・5メートル▽レベル2の氾濫注意水位(住民に注意喚起する段階)=2・5メートル▽レベル3の避難判断水位(「避難準備・高齢者等避難開始」発令の目安)=4・3メートル。かつて避難勧告の目安はレベル3だったが、国が2015年に目安をレベル4(氾濫危険水位)に見直した。今回は加古川市、高砂市ともレベル4に達した後に発令した。

Follow

神戸新聞

on

©株式会社神戸新聞社

神戸新聞がもっと便利に。電子版NEXT

新聞がそのまま読める「紙面ビューワー」、調べ物に便利な「記事データベース」が人気です。ウェブならではの速報も充実。暮らしに役立つ電子版を、ぜひお試しください。

詳しく知りたい