岡山県商工会連合会・金谷征正新会長に聞く

 岡山県商工会連合会(岡山市北区弓之町)の新会長に、赤磐商工会の金谷征正会長が5月末に就任した。西日本豪雨では、倉敷市真備町地区をはじめ県内の商工会エリアも甚大な被害を受けた。復旧支援や地域経済活性化に向けた戦略を聞いた。

 —西日本豪雨は深刻な爪痕を地域に残した。会員事業所の被災状況は。

 「全容を把握し切れていないが、県内20商工会のうち16商工会の500事業所以上が被災。とりわけ倉敷市真備町地区では、地区会員の9割に当たる260事業所以上が浸水などの被害に遭った。業務用車両や工場の機械設備が泥水に漬かるなどし、損失額が億単位に上る事業所もある。心よりお見舞い申し上げる」 —被災した会員をどう支援していくか。

 「9日付で各商工会に相談窓口を設置した。金融機関と連携して当面の資金繰りや債務返済要件の緩和といった相談に応じたり、勤務先の休業で一時離職する人が失業給付を受けられるようにする雇用保険の特例措置を説明したりしている。今後、事業を継続できるかという不安を抱く会員は多い。商工会はできる限りの支援をする。復旧には時間がかかるだろうが、何とか踏ん張ってもらいたい」 —就任の抱負は。

 「全国統一のキャッチフレーズ『商工会は行きます、聞きます、提案します』を徹底する。事業所の課題を掘り起こし、解決策をしっかり提案できるよう、経営指導員のレベルを引き上げ、会員(約1万2800事業所)を増やしていく」 —きめ細かい対応にはマンパワーが欠かせない。

 「各商工会の本所と支所をインターネットで結ぶウェブ会議システムを5月に導入した。経営指導員の人数(20商工会で102人)は限られ、事業者が支所に相談に来ても巡回指導で不在にしている場合もある。システムを使って、指導員の配置が比較的手厚い本所で初期対応に当たり、ニーズに応えたい」 —中小零細企業の後継者問題が全国的に深刻化している。

 「5月に発足した官民組織『県事業承継ネットワーク』に連合会も参画。承継を円滑に進めるため、中小零細企業を訪ねて準備状況などをアンケートで聞いている。後継者難による廃業などで、ガソリンスタンドが消えたり、買い物難民が増えたりと地域の経済基盤は弱りつつある。団塊世代が既に70代を迎えており、これから5~10年が大事になる」 —農林漁業者が加工や販売を手掛ける6次産業化や海外の販路開拓の支援にも力を入れている。

 「県の委託で『6次産業化サポートセンター』を12年度から運営し、商品化などの計画策定をサポートしている。計画が国に認定されれば補助金上積みなどの利点がある。8~10月に『海外販路開拓塾』を4回開き、外国語表記の仕方や関税手続きなどの実務を指導。11月には主に欧米市場を想定した商談会も予定している。人口減少で国内市場は縮小しており、輸出による事業拡大を後押ししたい」

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