火星15年ぶり接近で見え方7倍

地球と大接近している火星。表面の黒い模様や、上下の白い極冠が見える。火星表面での砂嵐が落ち着けばよりくっきり見えるようになる=7月11日、福井県大野市から橋本恒夫さん撮影

 火星が15年ぶりに地球に大接近している。7月31日には最も遠い時期に比べ7倍の大きさで見え、前後1カ月は普段より大きく輝く“天体ショー”を楽しめる。福井県児童科学館など県内の関連施設では観察会などイベントを予定。福井県内の天文愛好家らは望遠鏡越しに観測を楽しんでいる。

 明け方や夕方にしか見えない金星と異なり、火星は今年、夜間に明るく輝いている。近年の研究で、地表に川があったとみられる痕跡や火山活動の跡が見つかるなど、全貌が解明されつつある。

 坂井市の県児童科学館によると、最接近する31日は、午後8時ごろに南東のやぎ座付近の低い空に見える。地球との距離は約5759万キロメートルとなり、遠い時期と比べかなり大きく見え、明るさも約40倍になる。夜空を見上げるだけでは普段より明るく見える程度で、しっかり観察するには天体望遠鏡は必須という。

 大野市の天文愛好家、橋本恒夫さん(46)は大接近に合わせ火星を定期的に撮影している。「見かけの大きさは、最も遠い時期に比べて約7倍になっている。すごく大きくてよく見える」とすっかり魅了された様子。

 ただ、火星では6月から大規模な砂嵐が起きており、地表で活動を続ける米航空宇宙局(NASA)の無人探査車オポチュニティーが休眠状態に追い込まれるなどしている。橋本さんによると、砂嵐の影響で、火星表面の赤や黒の模様や極冠(ドライアイスでできた白い部分)が見えづらいという。

 今後の観察については「接近期間は十分長いので、安心して観察してほしい。見えやすい時間は、現在は午後9時半ごろからだが、31日は午後8時半ごろから見えてくる。これから少しずつ早まるので観察のチャンス」と話している。

 県内の量販店でも、接近に合わせ商戦に力を入れている。福井市のケーズデンキ福井北店では、天体望遠鏡のコーナーを設置。おすすめ商品に「火星が地球に大接近!」のPOPを貼り、熱く売り込む。

 売り場担当の礒松新之介さんによると、火星観察には、100倍以上のレンズで、口径が80~100ミリの望遠鏡が必要という。さらに、星の動きに合わせて望遠鏡を微調整できる「微動装置」が搭載されていることも重要だ。

 売れ筋商品は、約1万5千~4万5千円ほど。31日の最接近に向け、礒松さんは「夏休みの自由研究や他の星の観察にも適した商品がそろっている」と話した。

 関連イベントも県内各地で行われる。福井市セーレンプラネットでは13日、火星由来の隕石(いんせき)などを展示する特別展「火星探検に行こう!」が始まった。7月26日から8月20日までの期間限定で「惑星探査ローバー」の展示も行う。県児童科学館は28日午後8時から、8月11日午後8時半から火星と星々の観察会を予定している。

 大野市の県自然保護センターは7月31日午後7時半から、県内で最も大きな口径80センチ反射式望遠鏡を用いた特別観望会を予定している。

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