『ダーリン・イン・ザ・フランキス』TVアニメ第24話 Play Back: コドモたちが勝ち取った未来、物語は続いていく――

2018年1月より放送中のTRIGGER×A-1 Pictures 共同制作によるオリジナル TV アニメーション『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ダリフラ)。本稿では、本作の締めくくりとなる最終話、第24話「命の誕生。子供たちの最初の未来」本編の内容を筆者が感じた印象と共に振り返っていきます。

 
積み重ねてきたものをゴールに結びつけて――
脚本:林直孝・錦織敦史、絵コンテ:錦織敦史という最終話。錦織監督の作品の締めくくりは、やはり監督自ら手がける。ここまでこの作品をじっくり見てきた人にとっては、涙なしには観られなかったのではないだろうか。しかも1度目より2度目、2度目より3度目のほうがグッとくる。23話まで観てきた人だけが味わえるご褒美とでもいう感じだろうか。最後の最後で裏切られるようなこともなく、積み重ねてきたものをゴールに結びつけてくれたスタッフに感謝したい。

前回『トップをねらえ2!』の話を少ししたが、ヒロとゼロツーが戦いを終えて戻ってくるという結末もあったと思う。そこを生まれ変わりという選択をしたのも素晴らしかったし、最後ヒロとゼロツーの魂か何かが地球に辿り着くという、宇宙から地球をとらえた絵はGAINAX作品で育った錦織監督だからこそだろう。ちなみに最終話のサブタイトルがSF小説のタイトルからという伝統もしっかり守られていた。

最終話は、VIRMとの最終決戦に向かうゼロツーとヒロ、地球に戻ったコドモたちと、2つの生き方を描いていく。あのフランクスのコックピット、男女で搭乗することや集団思春期……。この作品で描きたかったことのひとつは「命」だったと思うが、お腹に命を宿したココロを仲間たちみんなで助けていく。

それはもうオトナたちの呪縛から解かれた姿だったし、「人間」を描くというところで、命がどう生まれてくるのかもわからなかったコドモたちが、命の尊さを知っていく様子が描かれているのが良かった。

また、ミツルも記憶がなくしてしまったものの、特殊な環境下ではないところで、再びココロを愛していく姿も美しかった。ここは本当の愛とは何なのかというところを考える部分になっていたのかもしれない(そう思っていたら、子供に「アイ」という名前を付けていたので驚いた…)。

このあたりを尺を使って描いてしまうことは正直野暮だと思っている。これまで描いてきたことから感じることさえできていれば、その行間を感じ取ることができると思うから。それに、やはりアニメというのは絵の力だとも思っているので、ココロと赤ちゃんの作画が本当に素晴らしかったというのも書いておきたい。まさに「私たちが選んだ最初の未来だった」というイチゴのセリフに説得力を持たせてくれる絵だった。

そして、戦う必要がなくなったコドモたちそれぞれが、自分の未来、居場所を見つけていく。遠くで戦うヒロとゼロツーの未来を思いながら。

この作品で、それぞれ何を感じたのだろうか。
宇宙では真・アパスがVIRMの母星へ到着。VIRMによってヒロは意識を失いかけるが、仲間に助けを求めたゼロツーの呼びかけに応えた地球にいるコドモたちがヒロに祈りを届け、ヒロを目覚めさせることに成功する。

まさに時空を超えた奇跡が起こり、再び力を合わせてVIRMを撃退する。おそらく自分たちの命と引き換えに……。

ゼロツーとヒロがVIRMを倒し、それから8年の月日が流れ、コドモたちはそれぞれの道を歩み始める。また、ハチのナナへのプロポーズとも取れる会話も良かった。これは『天元突破グレンラガン』を見た人にとっては胸が熱くなる展開だったのではないかと思う。

研究者になったイクノによって、パラサイトの老化のスピードが抑制されたことにより、みんな大人になっていく。あんなにオトナになりたかったゾロメはどんな気持ちだろうか。それはちょっと知りたい。

アニメや漫画の最終話は、『めぞん一刻』に代表されるように何年か後が描かれることが多いが、それはとても余韻を感じる終わり方だと思っているので、個人的に大好きだ。

キャラクターの個性をずっと描いてきただけに、その8年間をどう生きてきたんだろうと想像するのが本当に楽しいし、単純に大人になった姿を見るのは嬉しい。そして、8人は桜の木の下でヒロとゼロツーに語りかける。

「何事も楽しむこと」フトシ
「時には抗うこと」イクノ
「努力し続けること」ゾロメ
「生ぬるいやり方じゃなく本気で取り組むこと」ミク
「相手を知ろうとすること」ココロ
「運命は自分の手で決めること」ミツル
「自分の気持ちに正直であること」ゴロー
「誰かの翼になること」イチゴ

戦うだけが存在意義だったコドモたちに「人間らしさ」を教えてくれたのはヒロとゼロツーだった。最後の言葉は、この作品の描いてきたことを表しているなぁと思った。そして、時はさらに過ぎ去り、ヒロとゼロツーの生まれ変わりのように見える子供が再び出会い新しい物語を紡いでいく。とてもダリフラらしい最終回だった。

ほとんど誰も死ななかった。1話でプラント艇が叫竜に襲われてぺちゃんこになっていたから、助かったっていうオトナたちの言葉に騙されてるだけだよ!とずっと思っていたナオミですら生きていた。ヒロとゼロツーに関しては生き残ることはできなかったかもしれないが、命を描きたい作品で、主要キャラクターを全員生かしたというのは錦織監督らしいと言えるのかもしれない。

見た人が、この作品に何を感じ取っていたのか、そこまではわからないし、人それぞれでいいと思うが、個人的には人を愛することの素晴らしさであったり、それこそが人なんだということを描いていた作品だったと思っている。ロボットアニメでストレートにそれを描いた作品っていうのはあまり記憶にないので、非常に心に残る作品になった。

[文/塚越淳一] 
作品概要
■スタッフ
原作:Code:000
監督:錦織敦史
副監督:赤井俊文
シリーズ構成:錦織敦史/林直孝(MAGES.)
キャラクターデザイン/総作画監督:田中将賀
メカニックデザイン:コヤマシゲト
アクション監修:今石洋之
ミストルティンデザイン:中村章子
叫竜デザイン:岩崎将大
美術設定:塩澤良憲
美術監督:平柳 悟
色彩設計:中島和子
3Dディレクター:釣井省吾/雲藤隆太
3DCG:スタジオカラー/A-1 Pictures
モニターグラフィックス:座間香代子
撮影監督:佐久間悠也
音楽:橘 麻美
音響監督:はたしょう二
編集:三嶋章紀
制作:TRIGGER/A-1 Pictures

■キャスト
ヒロ:上村祐翔
ゼロツー:戸松遥
イチゴ:市ノ瀬加那
ミツル:市川蒼
ゾロメ:田村睦心
ココロ:早見沙織
フトシ:後藤ヒロキ
ミク:山下七海
ゴロー:梅原裕一郎
イクノ:石上静香
ハチ:小西克幸
ナナ:井上麻里奈
フランクス博士:堀内賢雄

■ストーリー
彼らは夢を見る。
いつの日か大空へはばたく夢を。
ガラスによって遮られたその空が、どれだけ遠いものだと知っていても。
遠い未来。
人類は荒廃した大地に、移動要塞都市“プランテーション”を建設し文明を謳歌していた。
その中に作られたパイロット居住施設“ミストルティン”、通称“鳥かご”。
コドモたちは、そこで暮らしている。
外の世界を知らず。
自由な空を知らず。
教えられた使命は、ただ、戦うことだけだった。
敵は、すべてが謎に包まれた巨大生命体“叫竜”。
まだ見ぬ敵に立ち向かうため、コドモたちは“フランクス”と呼ばれるロボットを駆る。
それに乗ることが、自らの存在を証明するのだと信じて。
かつて神童と呼ばれた少年がいた。
コードナンバーは016。名をヒロ。
けれど今は落ちこぼれ。
必要とされない存在。
フランクスに乗れなければ、居ないのと同じだというのに。
そんなヒロの前に、ある日、ゼロツーと呼ばれる謎の少女が現れる。
彼女の額からは、艶めかしい二本のツノが生えていた。

「――見つけたよ、ボクのダーリン」

■主題歌情報
・オープニング主題歌
アーティスト:中島美嘉
曲名:KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
作詞・作曲:HYDE
編曲:HYDE/Carlos K.

・エンディング主題歌
アーティスト:XX:me(キス・ミー)
作詞・作曲・編曲:杉山勝彦

●TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」×「アニメイトタイムズ」コラボページ
https://www.animatetimes.com/darli-fra/

TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式サイト
TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式ツイッター(@DARLI_FRA)

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