高級二枚貝「タイラギ」成貝2000個死滅 諫早湾 豪雨で低塩分状態に

 休漁が続く高級二枚貝「タイラギ」の資源回復を目指し、長崎県が5月に諫早湾の干潟に移植した成貝約2千個がほぼ死滅していることが14日までに分かった。長崎県総合水産試験場が13日に実施した定期調査で判明した。長崎県総合水産試験場は「西日本豪雨で淡水が流れ込み、タイラギの生息を妨げる低塩分状態に陥ったとみられる」とし、今後、詳細な原因調査を実施する。

 長崎県など有明海沿岸4県は本年度、受精卵の供給能力を持つ成貝を干潟に移植し自然繁殖を促す「母貝団地」の造成に着手。長崎県は5月中旬、諫早湾北岸の干潟に成貝約2千個を移植、1カ月後の調査では順調に生息していた。しかし豪雨後の13日に調査したところ、殻が開き、ほぼ死滅状態だった。

 長崎県のタイラギ漁は1994年から休漁が続き、2006年から種苗生産技術を研究。諫早湾の母貝団地で移植試験を実施してきた。

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