「W杯日本代表と日本サポーターから学ぶべき3つのこと」

ワールドカップ開幕前は評判が高くなかった今大会の日本代表。だが、2大会ぶりに決勝トーナメントに進出すると、ベルギーをあと一歩のところまで追いつめた。

そのベルギー戦は今大会のベストマッチのひとつにも挙げられている。

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ここでは、『sportskeeda』による「今W杯の日本代表と日本サポーターから学ぶべき3つのこと」を見てみよう。

規律

日本は常にその規律正しさで知られきた。建物や家に入る前に靴を脱ぐという習慣も彼らによって導入されたものだ。

今大会に参加したこの国のフットボールチームもファンも何ら変わりはなかった。

相手をイラつかせたり、審判から有利な判定を得るために、選手たちが非道徳的な行為を用いることは、現代サッカーの日常になっている。相手をそそのかすために戦術として使うチームさえある。

だが、日本は暗黒の時にも自分たちの価値観を忘れなかった。

タックルを敢行したり、判定への不満を伝えるために審判を取り囲んだりしたとしても、ブルー・サムライがある一定の限界点を超えることはなかった。

彼らのトリックの教科書には、卑劣なプレーや悪辣な行為は存在していないのだ。

また、彼らのサポーターたちにも触れないわけにはいけない。試合後、彼らは自分たちがいたエリアをいつも掃除していた。

ベルギー戦で彼らのヒーローたちが耐え難い敗戦を喫した時でさえ、自分たちの価値観を汚すような忘れ物(ゴミ)は絶対に残さないということを見せつけた。

勝ちにいく姿勢

日本はポーランドとのグループステージ最終戦で1点のビハインドにもかかかわらず、パスを前に送ることを拒絶して大きな批判にさらされた。

だが、ラウンド16でのベルギー戦での彼らは全く違った。守備は損なわれておらず、決定機で冷静であることを見せつけたのだ。

日本は原口元気が先制ゴールを決めた後も止まらなかった。その後もチャンスを狙い続け、すぐに決めてみせた。先制点からわずか4分後、乾貴士の格別の一撃によってリードを2点に広げたのだ。

日本は本気でアップセットをやるように見えた、しかも非常に説得力のあるやり方で。

だが、ベルギーはタイムリーな2枚替えと1点差に迫るゴールによって試合を引き戻した。その後、彼らが同点に追いつくのにかかったのは、5分。

日本にとっては懸命に守って90分間をもちこたえる(延長戦に持ち込む)のがいいはずに思えた。だが、驚くことに彼らはそうしなかった。

終了間際にコーナーキックを得た際、ボールをキープしてホイッスルを待つのではなく、ボックス内へクロスを入れようとしたことで、本田圭佑と香川真司は多くの批判を浴びた。

だが、あのコーナーは本田の素晴らしいフリーキックをクルトワがソリッドなセーブをした結果、得られたものだ。

多くの人間が得点を狙うよりもボールをキープするほうが賢い選択だったはずと考えており、(コーナーでの)日本代表選手の判断は批判を受けた。

だが、本田の姿勢は非難されるよりもむしろ讃えられるべきだ。

観客たちが望んでいたのは、時間をやり過ごしてPK戦に持ち込むことだった。とはいえ、あの瞬間に選手たちがしたことは、ビッグチームならばどのチームもやったはずのことだ。

彼らは得点できると信じていた。彼らは世界最高のチームのひとつを打ち破れると信じていたのだ。それはアジアを誇り高くさせたはずだ。

スポーツマンシップ

人はいい時の振る舞いではなく、厳しい時にどう立ち向かうかで評価されるべきだ。

それに基づくなら、日本は最大限の敬意を持って扱われるべきだろう。

ナセル・シャドリが文字通りラストプレーでベルギーを驚くべき逆転勝ちに導いた瞬間、日本列島は胸が張り裂けるような思いだった。

だが、選手たちは失望を抑えて相手を祝福し、ファンのサポートに感謝を示した。彼らは何も得なかったものの、10億の心とともに(多くの人の心を掴んで?)ピッチを後にした。

辛い時、多くの人は食事すら喉を通らないが、日本の誠実な人々(サポーター)は最後の瞬間に彼らのチームが打ち砕かれたにもかかわらず、スタジアムを掃除していた。

そして、ドレッシングルームではサムライ・ブルーが同じことをした。

大会オフィシャルが日本代表のロッカールームを確認しに行った際、彼らが発見したのは、きれいに整頓された部屋とロシア語での「ありがとう」というメッセージだった。それは本当に心がとろけるような光景だ。

そして、セネガルと日本のファンがアニメソングを一緒に歌ったことのように、小さいけれど美しい事柄も忘れないで欲しい。

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