群馬県高崎市。烏川の左岸、上越新幹線の高架下にひっそりとある無人駅―――佐野のわたし。
4年目の夏をむかえるこの駅をみに、夕方に歩いてみる。
駅のちかくに立つと、鳥の声と、ときおり駆け抜ける新幹線の足音しか聞こえてこない。
列車の到着時刻を知らなくても、駅のすぐ脇にある踏切の音で列車が近づいてるのがわかる。
駅舎は、戸建住宅やアパートなどが集まる北側をむく。
この30分ほどで会えたのは、上信電鉄の電車1本と、ロータリーで犬といっしょに散歩する女性ひとりだけ。
電車が去ると、ふたたび鳥の声だけが聞こえてくる。