ドローン操縦、自動車教習所が教えます 座間

 少子化の進行とともに若者のクルマ離れが叫ばれる中、座間市内の自動車教習所が小型無人機「ドローン」の操縦方法を指導するスクール運営に乗り出した。自動車運転免許取得者の将来的な減少を見据え、災害時の活用などで需要が高まっているドローンに着目。教習所の隣接地などに専用施設を整備した。ドローンスクールを開校した県内の指定自動車教習所は同校が初めてという。

 ドローンスクールを開校したのは同市緑ケ丘4丁目の都南自動車教習所。20~30代の自動車運転免許取得に向けた講習が主力事業だが、近年の通学者数はほぼ横ばいで推移する。一方、「少子化の影響はいずれ押し寄せる」(担当者)として事業拡大の手だてを探っていた。

 社長が約1年前、地方で同様の試みをしていることを知ったことがきっかけで、ドローン導入の構想が持ち上がった。

 総事業費約750万円をかけて施設や機体を整備するなどした。屋内練習場に加え、教習所の隣接地には四方と天井部分にネットを張り巡らせた縦・横約10メートル、高さ約5メートルの屋外専用練習場を設けた。「屋外では風の影響や電波の干渉を受けたときの操作を学べる」と担当者。ドローンも一般的な趣味用から物品の搬送も可能な産業用まで、大きさや性能が異なる8機種をそろえた。

 今年4月、国土交通省からドローンの講習管理団体として認められた「日本ドローンコンソーシアム(JDC)」の認定校となり、「TONANドローンテクニカルスクール」の名称で開校した。

 ドローンの指導に当たるのは自動車教習所の指導員3人。自動車運転指導で培った経験を生かし、操縦方法を親身に伝える。インストラクター(52)は「車もドローンも安全が第一」と周囲の安全に気を配るよう、指導にも熱が入る。

 初心者向けと飛行申請ライセンス取得者向けの計四つのコースを用意。期間は座学と実技で1~4日以上で、料金は4万5千~25万円(検定料を除く)だ。

 4月以降、毎月10人程度が入校している。趣味での利用を目的とした生徒が多いが、測量やリフォーム、倉庫内点検を目的とした受講も募っている。今後はインストラクターを増やし、2018年度内に7人にする計画だ。

 スクールでは災害時に行政機関との協力も視野に入れており、インストラクターは「要望に応じて、上空から捉えた被災状況の情報提供などができれば」と話している。

ドローンスクールの屋内練習場を飛行するドローン=座間市緑ケ丘

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