千綿駅90周年で式典 レトロな駅舎やロケーション人気 東彼杵 国鉄カラーの列車も祝福

 長崎県東彼東彼杵町平似田郷にあるJR千綿駅の開設90周年の記念イベントが16日あり、町関係者や地元住民ら約80人が、海沿いにたたずむ小さな駅の節目を祝福した。
 同駅は1928年に開設。71年に無人駅となり、駅舎と敷地が町有になった。往年の趣を残したレトロな駅舎や大村湾を一望できるロケーションが人気で、約1年半前に駅舎内にレストランがオープンしてからはさらに多くの人が訪れるようになった。町は近年、同駅を中心としたまちづくりに力を入れている。
 イベントでは、東そのぎ町グリーンハート児童合唱団が、「線路は続くよどこまでも」など、鉄道にまつわる童謡メドレーを振り付けを交えて披露。JR九州長崎支社は、国鉄時代と同じ、ベージュとオレンジに塗装された列車を運行し、「一日駅長」に任命された渡邉悟町長らの合図で見送った。
 九州鉄道OB会東彼杵地区の二瀬規文会長(81)は「毎年地元の人たちと美化活動に取り組んでいるが、若い世代や海外の人たちが訪れる駅になり、驚いている」と話した。

JR千綿駅90周年のイベントで国鉄カラーの列車を見送る渡邉町長ら=東彼杵町

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