球宴はさみ4戦3発 バット好調のロッテ4番・井上「ボール球を見送れている」

ロッテ・井上晴哉【写真:荒川祐史】

井口監督も評価「好調をキープしている」

 被災地に届けとばかりに、ロッテの“アジャ”井上が豪快なアーチをかけた。チームは16日、後半戦スタートの楽天戦(ZOZOマリン)に延長10回の末、2-3で逆転負け。痛い黒星を喫したが、試合前に「平成30年7月豪雨」への募金活動を呼び掛けた井上晴哉が、故郷・広島をバットで勇気づけた。

 0-0の4回1死、楽天先発の則本昂大から左中間へ17号ソロを運び、先制点を挙げた。「詰まり気味だったがいってくれた。涌井さんの時も打ててよかった」と井上。実は14号までは半分の7本塁打がボルシンガー登板の試合だった。15号以降は渡邊、有吉と若手先発を援護していた。

 9日の西武戦(メットライフドーム)から5月8日楽天戦以来となる4番打者に復帰したが、球宴休みをはさんだ4試合で3発の活躍を見せる。悔しい敗戦を喫した井口監督だが、こと井上に関しては「好調をキープしている」と頬を緩めた。

 井上自身は「打順の意識は全くない。走者を返すことだけが自分の仕事」とシンプルなアプローチを貫く。「ボール球を見送れている。そこが一番かな。ボール球に手を出さないから(バッティングを)崩されない。最終的にいい球を振れなかったりもしたが、四球を2つ選べた」と自己評価する。

 試合前の募金活動で「僕の生まれ故郷(広島)が大変な被害に遭っている」と心を痛めた4番が、そのバットで故郷に元気を送る。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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