インドネシア銅鉱山会社の株式、国営企業が51%取得

 米産銅大手のフリーポート・マクモラン(FCX)と英豪系資源大手のリオ・ティントは現地12日、インドネシア政府との間で、同国のグラスベルグ銅金鉱山を運営するPTフリーポート・インドネシア(PTFI)の株式51%をインドネシア国営企業PTイナルムが取得することで合意したと発表した。取得額は総額38億5千万ドル。今後は2041年までの鉱業権認可や、同国政府による環境規制などの問題についても協議を進め、18年中に正式契約を締結する方針。

 イナルムはリオ・ティントの権益40%を35億ドルで、FCXの一部権益を3億5千万ドルで取得し、同鉱山の過半の権益を得る。イナルムは現在、PTFIの株式9・36%を保有している。

 インドネシアでは、14年施行の新鉱業法に関連した政省令改正を昨年1月に実施。これを受け、同国政府とFCXはPTFIの株式51%をインドネシア企業に譲渡することや鉱業権の延長、同国内での銅製錬所建設などについて協議を行い、昨年8月に大筋合意したが、株式の譲渡金額などをめぐって交渉が難航していた。また、今年に入り、同国政府が同鉱山の環境問題を指摘し、厳しい環境規制を要求するなどの問題も起きていた。

 グラスベルグ鉱山は世界最大級の銅鉱山で、インドネシア2大銅鉱山の一つ。同鉱山とバツ・ヒジャウ鉱山で同国の銅生産の9割を占める。バツ・ヒジャウ鉱山は16年に日本企業などからインドネシア企業が権益を取得している。

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