バトンつないで 2018 第21代高校生平和大使【10】完

 〈設問〉(1)平和や核問題について関心を持ったきっかけ(2)もしも自分が日本の首相なら、核兵器廃絶の実現に向けて、まず何に着手するか(3)「平和」と聞いて思い浮かぶ情景(4)古里の「おすすめ平和スポット」とその理由

◎鈴木 真宝(すずき・まほ)さん(17)=桜の聖母学院高2年(福島県)= 核や原発のない未来

 (1)中学校3年生の時、8歳ぐらいの女の子が、親に命じられ自爆テロを実行したという新聞記事を読んだ。「同じ地球上にいるのに、私より幼い子がつらい思いをしている」と強い衝撃を覚え、世界を平和にするために、私も何か役に立ちたいと思うようになった(2)先の大戦後、核兵器を使った争いは起きていないものの、東京電力福島第1原発事故を受け、原発再稼働の話を聞くと不安になり将来を描けないなど、心の平穏を核に奪われた子どもたちが増えたように思う。教育に力を入れ、子どもたちの将来を輝くものにしたい(3)実際に核兵器を行使しない核の抑止力も含め、核兵器を用いた争いや原発がなく、これからを担う誰もが安心して未来を夢見ることができる状況(4)私の通う「桜の聖母学院高」。いじめなどが無く、将来の夢を持てる。互いが信頼し合い、夢を語り合えるから。

◎今井 萌果(いまい・もか)さん(16)=初芝立命館高2年(大阪府)= 教員も平和研修必要

 (1)中学3年生の時、詩人・石垣りんの「挨拶-原爆の写真によせて」という詩を国語の授業で読んだ。「地球が原爆を数百個所持して 生と死のきわどい淵を歩くとき」という一節で、今の世界は本当に平和なのかと疑問を持った(2)平和教育の改革。「平和とは何か」という問いに、一人一人が幼いうちから真摯(しんし)に向き合うことができる環境を整えたい。教員にも平和教育の研修が必要だと思う(3)広島平和記念公園。訪ねた人が平和や原爆について学んでいる様子や海外の人がここを訪ねようと考えるまでの経緯を思うと、平和への意識を持っている人が世界中にいると感じた(4)「美原ふる里公園」と、隣接する「みはら歴史博物館」。放課後に遊ぶ小学生や休日を楽しむ家族連れを見ると「平和だな」と心が落ち着く。歴史を後世に残す場があることも、平和を表していると感じる。

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