世界遺産登録 新商品で祝う 棚田米原料に和、洋菓子4種 平戸の業者販売 春日集落PR 活性化へ

 世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「春日集落」のある平戸市内の三つの菓子業者が17日、棚田米を原料に使った4種類の新商品を発表した。集落をイメージできるよう、見た目やネーミングを工夫し、全国に世界遺産をアピールする。
 市側が昨夏、登録を見据え棚田米を使った菓子作りを市内業者に提案していた。商品は、つたや總本家(木引田町)が「祈(いのり) お米のカステラ」。市山製菓(紐差町)の洋菓子「春日の棚田」と和菓子「春日のおぼろ月」。楠製菓(津吉町)の和菓子「異国の香り」。
 「祈」は棚田米をブレンドした米粉で焼き上げ、淡い黄色と、もっちりした食感。「棚田」は米粉と抹茶の生地をチョコレート生地に載せて焼き、表面はキリシタン墓地があった集落の聖地「丸尾山」をイメージした。「おぼろ月」も米粉を使い、もちもちした食感を実現。「異国の香り」も棚田米を生地に使い、あんには地元産のオレンジ「平戸夏香」を加えた。
 同市春日町の春日集落案内所であった発表会には関係者約30人が出席。黒田成彦市長は「平戸ならではの商品に親しむ人が増え、地域振興につながればうれしい」とあいさつ。「祈」は8月3日発売予定で、ほかの3品は同案内所で販売中。問い合わせは同案内所(電0950・22・7020)。

新商品をPRする(左から)つたや總本家の松尾俊行社長、楠製菓の楠忠行社長、市山製菓の市山正徳社長=平戸市春日町、春日集落案内所
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を記念し作られた棚田米を使った新商品

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