富士経済調べ、太陽電池市場・30年に11%増 135ギガワット、金額ベースでは減少

 マーケティングリサーチの富士経済は、太陽電池および太陽光発電関連市場を調査し、「18年版太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」としてまとめた。2030年の太陽電池の世界市場は金額ベースが同比21・2%減の4兆9080億円、出力ベースが同比11・6%増の135ギガワットと予測。モジュール価格の下落などで金額ベースでは18年をピークに縮小傾向になると予測するが、低価格化が需要を喚起し、出力ベースでは拡大が続くとみている。

 世界市場は、14年以降、中国、米国、日本の3カ国がけん引する形で拡大してきたが、モジュール価格の下落によって太陽光発電の導入ハードルが低くなり、需要地が新興国を含め世界的に広がっている。17年は中国が突出した導入量を達成したこともあり、出力ベースでは初めて100ギガワットを突破した。参入企業の多くは中国の需要が落ち着くことを予想しつつも設備増強の計画を進めているとしている。

 一方、17年度の国内市場は、改正FIT法の施行に伴う認定の遅れや施工・販売側で法改正の対応に追われるなどの混乱が生じた影響で市場が縮小。18年度以降は6千~7千メガワットで推移すると予想し、脱FITに向け自家消費を促進する動きが今後の市場を左右するとみている。

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