「多良木魂」感謝の思い胸に 来春閉校 “最後の夏”終わる

有明高に1-5で敗れ、ナイン一人一人と握手する多良木高の齋藤健二郎監督(右)=17日、八代市の県営八代野球場(池田祐介)
試合終了後、グラウンドに一礼する多良木高ナイン

 「よく頑張った」。全国高校野球選手権熊本大会の3回戦が行われた17日、県立高再編で来年3月に閉校する多良木(多良木町)は有明に1-5で敗れ、最後の試合を終えた。地元に支えられ、地元を励ます存在でもあった野球部。その全力プレーを住民らは声をからして応援し、そして温かくねぎらった。

 会場の県営八代野球場には生徒と保護者、地域住民に加え、1986年の卒業生で、阪神、オリックスで活躍し1試合19奪三振のプロ野球記録を持つ野田浩司さん(50)=神戸市=も駆け付け、「(齋藤健二郎監督の)お祭り野球に期待している。相手の好投手に振り負けていない」とエールを送った。

 「行け行けー」の声に押され二回に1点を先制。中盤に4点差をつけられても食らい付いた。最終回も代打の東龍成選手が安打で出塁。だが、逆転は果たせなかった。

 試合後、目を真っ赤にして球場から出てくるナインを応援団はハイタッチで迎えた。見納めの試合となっただけに、同校の近所に住む会社員の篠原基久夫さん(54)は「もう練習中の掛け声が聞こえてこないんですね」と寂しげだった。

 野球部応援隊の児玉盛光さん(69)=同町=は「精いっぱいプレーしてくれた」と感無量の様子。通算23年間率いた齋藤監督は「重圧もあったと思うが、最後まで『多良木』の誇りを胸に、よくやってくれた。そして大きな後押しがあったからチーム一丸となれた」と、教え子と地元に深々と頭を下げた。(園田琢磨)

(2018年7月18日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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