JFEスチールと宝武集団の中国合弁、偏析防止混合鉄粉の生産開始

 JFEスチールは17日、中国・宝武鋼鉄集団との中国合弁で、自動車部品用偏析防止プレミックス鉄粉「クリーンミックス」の製造販売を行う「上海宝武杰富意清潔鉄粉」(略称BJCMX)が4日に営業生産を開始したと発表した。JFEの技術力や品質ノウハウを生かし、日本国内と同様の品質で短納期の供給が可能になった。

 BJCMXは2017年2月、JFEスチールと宝武鋼鉄集団の100%子会社である宝鋼金属と折半出資で上海市宝山区に設立。1億900万人民元(約17億円)を投じて年産3万トン(混合ライン1基)の新工場を完成した。今後順次顧客の承認を取得し、自動車部品向けなど高級粉末冶金用鉄粉の需要を捕捉していく。

 クリーンミックスは鉄粉に銅粉、黒鉛粉、潤滑剤などを混ぜ、特殊な偏析防止処理を行う製品。添加物の偏析防止や発塵低減の効果が高く、顧客の生産性向上や環境改善に寄与するため、市場ニーズが強い。

 JFEが鉄粉関係で海外生産を行うのは初めて。主原料の鉄粉は現地調達するが、合金鋼粉など一部は東日本製鉄所(千葉地区)から供給する。現地の鉄粉を使用して偏析防止混合鉄粉を製造するのもBJCMXが中国初。

© 株式会社鉄鋼新聞社