国重要有形民俗文化財の雨乞い大太鼓、奉納断念 熊本地震で神社本殿など被災

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熊本地震で被災した椿原八幡宮。境内には地震以来、ブルーシートが残る=宇土市
椿原八幡宮の境内へ大太鼓を担ぎ、奉納する男性たち=2012年、宇土市

 宇土市椿原[つばわら]町の椿原八幡宮で3年に1度の雨乞い大太鼓奉納。2年前の熊本地震で八幡宮の本殿などが被災したため、今年は実施できなくなった。関係者は「地域に伝わる伝統行事で、開催したいが安全面を考えると仕方がない」と肩を落とす。

 大太鼓は1884年、地区で購入した。ケヤキの大木をくりぬいた重さ約1トン、直径1・3メートル、胴回り5・1メートル。同八幡宮で毎年7月末に開かれる豊作祈願の「根付け祭り」で3年に1度、奉納されている。

 地区の男性約30人が太鼓をみこしのように担ぎ、83段ある八幡宮に続く急な階段を上る。左右の担ぎ手で太鼓を大きく上下に揺らす勇壮な“がぶり”の見物客も多い。

 太鼓奉納は、戦後しばらく途絶えていたが、1973年に太鼓を修復して復活。2002年に県有形民俗文化財に指定され、昨年には、椿原の大太鼓を含む市内29基の雨乞い大太鼓が国重要有形民俗文化財に登録された。

 熊本地震で、八幡宮の本殿や鳥居などが大きく被災。本殿を支える柱が石の土台から外れそうになっているところもあり、地区の代表者でつくる実行委員会が、今年の太鼓奉納の中止を決めた。

 地元区長も務める椿原太鼓保存会の中口弘之会長(74)は「雨乞い大太鼓が、国の重要有形民俗文化財となって初めての太鼓奉納だっただけに中止は残念。早く本殿を修復して再開したい」と話していた。

 8月4日に開催予定の宇土大太鼓フェスティバルには、椿原の大太鼓も参加し、がぶりを披露する予定という。(西國祥太)

(2018年7月18日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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