出会い系サイトに個人情報さらされ 容疑者逮捕も被害女性の恐怖続く

女性が被害の状況を詳細に記録していた手帳。警察への相談などに役立ったという=16日、熊日本社(手帳はぼかしてあります)

 熊本市の元会社員の女性(37)に成り済まし、出会い系サイトに「お金を払えば性的なサービスをします」などと書き込んだとして、名誉毀損[きそん]の疑いで陸上自衛官の男(39)=埼玉県志木市=が12日、県警に逮捕された。インターネット上に氏名や住所をさらされた女性は、今も不審な男たちの影に脅え、「卑劣な犯行を絶対に許せない」と憤る。

 女性が男と知り合ったのは2016年の初め、県内のプールだった。泳ぎが趣味の2人は意気投合し、交際がスタート。男は独身だと言ったが、実は妻子がいた。だが、「妻と別れて一緒になる」と女性に言い交際を続けた。女性は結婚準備を進めたが、男は離婚せずに16年夏ごろ、一方的に別れを告げた。

 ところが17年春、男から突然、「よりを戻したい」というメールやLINE(ライン)が届くように。女性は無視したが、しつように続いた。女性は警察に相談し、男に口頭で警告してもらった。

 今年5月、一人暮らしの女性の自宅周辺を深夜、見知らぬ男たちがうろつくようになった。警察が調べると、女性に成り済ましたLINEやフェイスブック(FB)を使って出会い系サイトに「住所は○○。呼び鈴3回押してくれた人のみ」「痴漢とか興味あります」などと書き込まれていた。男と交際中に撮られた女性の写真も掲載されていた。

 女性は自宅に防犯カメラを設置したが、眠ることもできず、夜はホテルやネットカフェを利用する日々が続いた。男とのやりとりや被害状況の詳細な記録が決め手となり、県警が12日、男を逮捕。女性は「やっと安心できる」と思った。

 しかし、裁判所は「逃亡の恐れなし」と判断。男は15日に釈放され、捜査は在宅のまま進むことになった。県警の調べに対し、男は書き込みの事実は認めたが「名誉毀損ではない」と、容疑を否認しているという。

 最近も女性の自宅近くを、見知らぬ男が深夜、うろついているという。女性は恐怖から、現在もホテルを転々としながら、引っ越しも検討する。「私の願いは、男が二度と私の人生にかかわらないことだけなのに…」。いつになれば終わるのか。女性は「もう精神的に限界」と肩を落とした。(太路秀紀)

(2018年7月18日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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