もうすぐ土用の丑の日! ウナギに感謝し供養 専門店は丁寧に準備

 土用の丑(うし)の日(20日、8月1日)を前にウナギに感謝し、商売繁盛を祈願する「第9回鰻(うなぎ)供養」が18日、長崎県諫早市の本明川河川敷であった。市内のウナギ専門4店舗でつくる「諫早うなぎ料理振興会」(北御門孝廣会長)が主催し、神事の後、地元の園児25人が成魚約50匹を放流した。
 式で北御門会長(72)は、昨年末のシラスウナギ(ニホンウナギの稚魚)不漁に触れ「心配をかけたが、専門店は夏場も供給できる見込み。諫早名物のウナギ料理を絶やさないよう頑張りたい」とあいさつ。さらに「ウナギ養殖研究機関への募金の寄付や、東アジア鰻学会への積極参加など、会として完全養殖の商業化や資源保護にも協力していきたい」とした。
 キッズスクール認定こども園年中の川口真織ちゃん(4)は「ウナギをつかむのが初めてで、難しかったけれど楽しかった」と話した。その後、同振興会は同市本野町の高齢者向け住宅「真和レジデンス」入居者に鰻弁当約60食を贈った。
 一方、土用の丑の日を前に、八天町の「うなぎ割烹(かっぽう)北御門」では準備が進んでいる。当日は午前3時から職人総掛かりで、余分な油を落とし、丁寧にタレ焼きを繰り返す仕込みを行う。
 鹿児島、宮崎両県のウナギ養殖業者からの仕入れ値は、ことし春以降の漁獲量安定で少し落ち着いたが、前年同期に比べ約1・6倍の上昇。同店では6月、やむなく平均約18%の値上げに踏み切ったが「自助努力では対応できない状況。それでも工夫して取引価格高騰の影響を抑えたい」としている。

恐る恐る手づかみしウナギを放流する園児=長崎県諫早市、本明川河川敷
うなぎに丁寧にタレをかける職人=長崎県諫早市、北御門

© 株式会社長崎新聞社