熱中症 搬送が急増 梅雨明け後の1週間 113人

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日差しが痛い。炎天の下、熱い応援が続く高校野球の観客席=18日午後、大分市の別大興産スタジアム

 全国的に猛暑が続く中、県内でも熱中症の疑いで救急搬送される人が急増している。梅雨明けした9日から15日までの1週間は113人(速報値)。前週の26人に比べ4倍以上となった。14日は津久見市内の高齢者が亡くなり、15日は過去最多の31人が運ばれた。暑さはしばらく続く見通しで、県は「水分補給や休憩をこまめに取り、体調管理に十分注意を」と呼び掛けている。

 県のまとめでは、9~15日に搬送されたうち65歳以上が64人と半数を超えた。18~64歳は33人、7~17歳は15人。津久見市で亡くなった70代男性は屋内で体調不良となり、意識を失った。他に3週間以上の入院が必要な重症者が2人いた。

 県内の消防局・本部によると、屋内や農作業中、ウオーキング中などの搬送が目立つ。

 県内15観測地点のうち14地点で30度を超えた15日には31人が運ばれた。データがある2011年以降の1日当たりでは最も多い。9日を除く6日間は、すべて搬送者が10人を超えた。

 県健康づくり支援課は「熱中症は体が本格的な暑さに慣れていない、梅雨明け時季になりやすい」と説明。昨年5~9月の搬送者828人のうち7月が半数以上を占めるなど、例年この時季に最も注意が必要という。

 大分地方気象台によると、しばらく県内は高気圧に覆われ、おおむね晴れる見込み。最高気温は平年よりも高く、連日30度を超える予想。

 県内の各消防局・本部によると、18日は熱中症の疑いで、少なくとも8市2町で23人(午後10時現在)が病院に運ばれた。大分市で7人、宇佐市で5人、豊後大野市で3人、杵築市で2人、別府、中津、佐伯、由布の4市と玖珠、日出両町で各1人。

十分な睡眠、水分補給を 大分大保健管理センター・工藤教授に聞く

 熱中症を防ぐにはどうすればいいか。大分大保健管理センター所長の工藤欣邦教授(内科医)に聞いた。

 ―原因や症状は。

 高温多湿になると血流や汗による体温調節がしにくくなる。熱で臓器の機能が低下し、脱水状態で血液循環が悪くなることで症状が出る。風邪、睡眠不足、疲労時や前日に多量の飲酒をしたときは注意が必要だ。

 軽症は立ちくらみや筋肉の硬直、中等症になると頭痛や吐き気、嘔吐(おうと)、重症は意識障害やけいれんなどが起きる。

 ―体調不良を感じたら。

 水分を取り、涼しい環境に避難し休息する。首筋や脇の下、足の付け根、足首などを冷やすと体温が下がりやすい。回復しないときは医療機関の受診を。呼び掛けても反応がなければ、すぐ救急車を呼んでほしい。

 ―予防するには。

 十分な睡眠、バランスのいい食事などが基本になる。喉の渇きを感じる前に水分を補給し、エアコンで適切な室温を保つこと。環境省の予防情報サイトで見られる「暑さ指数」は行動する際の参考になる。

 特に高齢者は体温調節機能が低下している上、暑さを感じにくい。本人は温湿度計を活用して常に環境変化を意識し、周囲の人は気を配ってほしい。