西武・山川が唯一の“不動の4番” チームの勝敗を左右するパ・リーグ4番成績

西武・山川穂高【写真:荒川祐史】

西武の山川が唯一の全試合4番で出場

 MLBでは今や「2番最強打者説」が主流になっているが、NPBでは4番が依然、最強打者だ。各球団の「4番」の成績を見ていくと、チーム状態が見えてくる。

パ・リーグ 7月18日時点での4番打者の打撃成績(途中出場除く)

ソフトバンク 79試296打75安14本43点 打率.253
西武 81試302打83安24本75点 打率.275
楽天 82試300打77安9本33点 打率.257
オリックス 83試306打72安12本36点 打率.235
日本ハム 82試322打85安18本64点 打率.264
ロッテ 83試303打90安10本62点 打率.297

 打率はロッテが1位だが、本塁打、打点では西武が1位、続いて日本ハムの順だ。ソフトバンク、オリックス、楽天は4番が十分に機能していないと言えよう。

各球団の4番打者を見ていこう。(先発のみ)

○ソフトバンク

内川聖一 35試137打31安3本13点 打率.226
柳田悠岐 29試107打29安8本19点 打率.271
デスパイネ 15試52打15安3本11点 打率.288

 ソフトバンクは内川を4番で固定させたかったが、打撃不振のため柳田が4番に座ることが多くなってきている。1番を含め柳田は様々な打順をこなしている。

○西武

山川穂高 81試302打83安24本75点 打率.275

 西武の山川は12球団で唯一、全試合で4番に座る「不動の4番」だ。これが1位を走るチームの原動力の一つとなっている。

○楽天

ウィーラー 33試121打34安3本13点 打率.281
今江年晶 25試96打24安2本11点 打率.250
ペゲーロ 12試42打12安3本7点 打率.286
アマダ― 8試27打3安1本1点 打率.111
ディクソン 3試11打4安0本1点 打率.364
島内宏明 1試3打0安0本0点 打率.000

 楽天は6人もの4番打者がいるが、固定できていない。最近は復調気味のベテラン今江が4番に座っている。

○オリックス

ロメロ 38試144打29安6本14点 打率.201
吉田正尚 25試89打29安3本17点 打率.326
マレーロ 10試38打7安2本2点 打率.184
小谷野栄一 9試31打6安1本3点 打率.194
中島宏之 1試4打1安0本0点 打率.250

 オリックスも5人が4番に座った。当初はロメロに不動の4番として期待されたが、調子の波が激しく思ったような成績を残せていない。最近では吉田正尚が中軸として実績を上げつつある。

○日本ハム

中田翔 80試313打82安17本62点 打率.262
レアード 2試9打3安1本2点 打率.333

 今年の日本ハムは中田翔が82試合中80試合で4番に座り、17本塁打を放ち、すでに62打点を叩き出している。4番としての仕事を果たしている。

○ロッテ

角中勝也 46試172打54安3本31点 打率.314
井上晴哉 37試131打36安7本31点 打率.275

 ロッテは開幕から井上を4番で起用したが、角中が復活すると4番が交代した。しかし最近は打撃好調の井上が再び4番に座っている。

 こうしてみると、4番が固定できないチームは、成績が低迷していることがわかる。「不動の4番」は得点源として非常に重要なのだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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