~鉄・路をゆく 第8回~阪神武庫川線

~鉄・路をゆく 第8回~阪神武庫川線

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阪神武庫川線は、兵庫県西宮市にある阪神電鉄本線武庫川駅と武庫川団地前駅を結ぶ、1.7kmに中間2駅を持つ路線である。現在は武庫川団地からの通勤・通学の足となっているが、当時軍需工場があった洲先(現在の武庫川団地近辺)への従業員や資材輸送の為、1943(昭和18)年11月21日武庫川ー洲先間が開業したのがルーツである。以後戦前の開業、また戦後の休線や廃線をへて、1984(昭和59)年4月3日洲先ー武庫川団地前が開業。今日の路線形態となった。終点の武庫川団地前駅から約15分歩くと、タイガース2軍本拠地の鳴尾浜球場がある。

阪神武庫川駅西口。右に見えるのが武庫川線ホーム。
本線は普通列車・急行列車が停車する。

本線の武庫川駅はホームが武庫川を跨ぐ構造。ホームに立つと風通しがとても良い。冬は凍えそう。

甲子園駅方面を望む。左奥下が武庫川線乗り場と駅西口へ向かう通路。

武庫川駅西口前の歩道橋より、甲子園駅方面を望む。
(昨年・今年と株主総会で質疑にあがった電車のカラーこちら。)

右に見える線路が、武庫川線への入出庫の線路。

甲子園方から来た車両は、北側まで入り込む。

北側の引き込み線。かつて武庫大橋、そして現在のJR西宮駅までつながっていた。

電車が通るのは入出庫時のみで頻度が少ないため、踏切の左右にはフェンスが取り付けられている。

入出庫の際は人力で開閉することになる。

北側の踏切より、武庫川駅を望む。本線が跨ぐ形となる。

武庫川線ホームには中間改札がある。

ホームには2線あるが、現在ほぼ東側のみ使用されている。

朝5本、日中3本、夕~夜は6本の運転本数。朝と夕方時は2編成体制での運行となる。

日中は1編成での運行の為、もうひと編成は、ホーム奥に留置されている。

武庫川線の終端、武庫川団地前駅。駅右手には大手スーパーが立地している。

武庫川駅方面を望む。

奥のホームは現在は使用されていない。

終端前の歩道から望む。ここからわかるマニアックな点として、使用されている線路と使用されていない線路の架線形状が違う。

駅から5分も歩けば、10数棟からなる武庫川団地がそびえ立つ。

武庫川団地を抜け、鳴尾浜海浜公園(北地区)へ。

この北地区は白球の森と呼ばれ、第65回全国高校野球選手権記念大会に出場した高校名のプレートが置かれている。

高校名プレートのみで、これだけだと良くわからない。

武庫川団地前駅から南へ徒歩約15分、阪神タイガース2軍ベースとなる、タイガーデンこと鳴尾浜球場がある。
ちなみに阪神甲子園駅からバスで15分ほどで来れるので、駅から歩いてくる人はあまり多くないとか。

この日は阪神タイガース対中日ドラゴンズの試合が行われていた。
ちょうど広島3連戦が中止となり、1軍レギュラー選手も出場していたこともり、500人収容のスタンドは超満員。

阪神武庫川線に入っている車両は2編成のみ。
ワンマン改造された、武庫川線専用の7890系ー7990系(写真)と、前出の武庫川駅に留置されている7861系ー7961系の2編成。

阪神伝統の赤胴車。

今年で44年目となる7890系。元は阪神西大阪線(今の阪神なんば線)用に製造された阪神3801系3901系を、1986年に武庫川線専用車として改造された。
武庫川線専用車としては32年の実績。

7890系の車内。

運転台に据え置かれている、運転士用冷風機。

武庫川線で唯一、行き違い設備を備えている東鳴尾駅。朝有の本数が多い時は、この駅で行き違いをする。

駅舎はなく、ICカードは乗降時端末にタッチする。

ちなみにきっぷ券売機もない。

洲先駅、東鳴尾駅からの乗客は、武庫川駅中間改札横にある券売機で清算、あるいは目的地までの切符を購入する。

駅周辺は工場や住宅地が広がる。

駅手前の踏切を渡り坂道を上ると、すぐそこに武庫川が見える。

東鳴尾駅北側の踏切より

広々とした用地。廃止された武庫大橋駅から洲先駅までは複線にするための用地を取得していたが、一度も複線化されることなく今日に至る。

撮影:稲葉訓也

撮影日:2018年07月10日(火)

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