USP「キリシタン版」講義=信州大学から准教授招聘

白井純准教授

 サンパウロ大学大学院・日本研究 (言語・文学・文化)科は、信州大学人文学部の白井純准教授を招聘し、「大航海時代の『宣教と言語学』とキリシタン版の刊行」をテーマに特別講義(日本語)を開講する。8月22日から10月3日まで、毎週水・金曜日の午後2時から6時まで。
 大航海時代は、15から17世紀、ヨーロッパ諸国が勃興し、アフリカ、インド、アジア、アメリカなどに植民地や交易地を建設した時代を指す。キリシタン版は尊母時代に日本を中心にイエズス会によって刊行されたローマ字、あるいは漢字・仮名による印刷物のことだ。
 キリシタン版は、外国人からみた日本語の特徴や学習法が克明に現れていて、同時代の日本語を分析した貴重な文献。また、ラテンアルファベットに対して日本語には平仮名や片仮名、さらに数千に及ぶ漢字がある。日本人すら行ってこなかった活字印刷を行うために、日本語の文字に対する深い知識と洞察が必要だったとされる。
 白井純准教授は日本語史、キリシタン版、印刷技術史の専門家。2011年に、16世紀に日本で宣教していたイエズス会が翻訳・印刷した『ひですの経』を影印して出版した。
 講義は誰でも受講できる。場所は同科HP(http://sites.usp.br/ppgllcj/)に掲載される。

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