壱岐高生8人救急搬送  熱中症、過呼吸で 大村、島原で猛暑日

 19日午後、壱岐市郷ノ浦町の県立壱岐高の3年生の女子8人が球技大会終了後に体調不良を訴え、救急搬送された。壱岐消防署によると、5人が熱中症で、3人が暑さが原因の過呼吸とみられる。熱中症5人のうち2人は数日以内の入院が必要という。命に別条はない。
 日本列島は太平洋高気圧とチベット高気圧に覆われ猛烈な暑さが続いており、熱中症による救急搬送が全国で相次いでいる。長崎地方気象台によると、今後約1カ月は29度以上の暑さが続くとみられ、「不要不急の外出は控えて」と呼び掛けている。
 同校によると、球技大会は午前9時から午後2時半まで同校グラウンドであり、搬送された8人はサッカーに参加。閉会式後に体調不良を訴えたという。この日の壱岐市の最高気温は32・5度。教諭が水分補給を呼び掛け、休憩用にエアコンの効いた教室も開放していた。同校は「申し訳ない。生徒への配慮が足りなかった点がないかしっかり検証したい」としている。
 県教委は17日付で各市町教委と県立高校に出した文書で、高温時は部活動の中止を含めて、課外活動の内容の変更を検討するよう求めている。
 県消防保安室は、9日の梅雨明けから一気に気温が上昇したため、「体が暑さに慣れておらず、体調を崩す人が増えているのではないか」と指摘。9~15日の1週間で前年同期比約3倍となる135人(速報値)が熱中症で搬送されたという。予防策として▽室温が28度を超えないようエアコンを利用▽小まめな水分補給-などを挙げている。
 長崎地方気象台によると、19日の県内は大村、島原で今年最高の36・8度の猛暑日になったほか、全20の観測地点で30度を超えた。

厳しい暑さの中、日傘を差して歩く市民ら=長崎市築町

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