【熊本城のいま】特別史跡 ふさわしいイベントとは

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 14日夜、熊本市のリブワーク藤崎台球場であったプロ野球オールスターゲームに合わせ、県などは13、14の両日に特別史跡の熊本城の二の丸広場でパブリックビューイング(PV)を実施した。広場北側の仮設ステージに設けられた横7・2メートル、縦4メートルの大型ビジョンで熱戦を映し出した。県地域振興課によると、第1戦の13日は約千人、第2戦の14日は約1万9千人が来場した。

 これに先立ち、5月31日に開かれた市文化財保護委員会では、PVが「特別史跡内でのイベントとしてふさわしいのか疑問」との声があった。市は「地下遺構にも配慮されており、熊本城の愛着促進に資する」と判断し、市教委が会場使用を許可した。

 特別史跡の指定範囲でイベントなどを行う場合は、市教委が定めた「熊本城の管理に関する取扱要領」に従わねばならない。要領には本丸、二の丸、三の丸、古城地区と地域区分ごとに許可できる行事が決められている。

 最も制限される場所は天守閣前と数寄屋[すきや]丸、平左衛門[へいざえもん]丸、飯田丸、東竹の丸で、管理団体である市が行う恒例行事に限られている。PVがあった二の丸広場の芝生の部分で許可されるのは、県・市の主催事業のみだ。

 ただ要領には、行事の内容について取り決めはない。市教委の諮問機関である市文化財保護委員会では、遺構に影響がないかなど、文化財保護法を踏まえて問題がないかを意見するが、「特別史跡にふさわしくない」と決める権限はない。権限は市教委にある。

 要領にのっとり、文化財保護法を順守すれば、熊本城内でどんなイベントを実施してもいいのだろうか。専門家らは「今回のようなPVを実施することでただちに何かに影響するというよりも、これが『実績』になるのが問題」「熊本城は単なるイベント会場ではない。たくさんの人が来ればそれでいいというような流れになっていくのではないか」と危惧する。今回だけでなく、熊本地震後、市は「復興イベント」として数多くのライブなどを開催してきた。

 二の丸広場でのイベントについて、外部からの受付窓口である市の熊本城総合事務所は「何をやってもいいということではないが、個別具体的な決まりはない。申請ごとに一つ一つ内容を精査している」と話している。

(飛松佐和子)

(2018年7月20日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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