カジノ法成立 長崎県内誘致「これからが勝負」 反対派は徹底抗戦の構え

 「大きな一歩だ」「これからが勝負」-。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法が成立した20日、長崎県佐世保市のハウステンボス(HTB)への誘致を目指す県内関係者は喜ぶとともに、今後本格化する“誘致合戦”に勝ち残る決意をにじませた。これに対し県内の反対派も徹底抗戦の構えを見せた。
 「ようやく扉が開いた」。佐世保商工会議所の前田一彦会頭は、喜びをこう表現した。中村法道知事と佐世保市の朝長則男市長はそれぞれ「IRの実現に向けた大きな前進」とするコメントを発表した。
 整備は全国で最大3カ所。前田会頭は、決起集会などで県民や市民を巻き込んで機運を盛り上げる必要性を強調。「中央、政府に強くアピールしないといけない」と訴えた。HTBの高田孝太郎取締役経営企画室長は「IRの実現で地域発展や観光振興に貢献できる。区域認定されるよう県や市などとしっかり取り組みたい」と述べた。県IR推進室の担当者は「水面下で動いていた自治体も本腰を入れてくる。追いつかれないようにしなければ」と引き締めた。
 朝長市長は、この日午前の会見で、ギャンブル依存症の増加や治安への懸念に対し市政懇談会などで住民に説明する考えを示した。
 一方、カジノ誘致問題を考える市民の会の代表を務める早稲田矩子市議は「反対の声を無視した暴挙」と批判。「IRは賭博の解禁だ。誘致の取り下げを求めて抵抗する」とした。

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