市民ミュージカル「赤い花の記憶」 世界遺産登録祝い熱演 長崎

 長崎県のキリシタン史をテーマにした市民ミュージカル「赤い花の記憶 天主堂物語」が21日、長崎市茂里町の長崎ブリックホールで2年ぶりに上演された。キリスト教の伝来から厳しい迫害と弾圧、復活までの壮大な物語を小学生から60代までの60人が熱演した。
 ミュージカルは、大村市文化・スポーツ振興財団が制作。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を支援しようと、実行委が再演を決定した。6月末には正式に登録が決まり、出演者らにもより熱が入った。
 2回公演で、昼の部には約1400人が来場した。大浦天主堂が徐々に造られていくセットを背景に、出演者が「長崎OMURA室内合奏団」の生演奏に合わせ力強く歌い、踊った。フィナーレで「赤い花」を全員で歌い上げると、会場からは大きな拍手が送られた。
 実行委によると、10回目の今回が「最後の公演」。初めて観劇した大村市久原1丁目の主婦、三岳留美さん(50)は「生演奏と皆さんの演技、そしてキリシタンの強い思いに心を打たれた。歴史についてあまり知らなかったが、長崎のまちを誇りに思う」と涙ぐんでいた。

華やかなフィナーレを迎えた市民ミュージカル「赤い花の記憶 天主堂物語」=長崎ブリックホール
力強く歌う出演者

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