ハミルトンとメルセデスが釈明「ドライバーがマシンの故障を引き起こしたのではない」。予選序盤のトラブルに落胆

 2018年F1ドイツGPの土曜予選Q1で、メルセデスのルイス・ハミルトンはハイドロリック系のトラブルに見舞われてストップした。当初、ハミルトンが縁石に乗り上げたことが原因で故障が起きたのではないかという説も出たが、チームも本人もそれを否定している。

 ハミルトンはなんとかマシンをピットレーンに押し戻そうとしたもののかなわず、Q2に出場することはできずに予選14番手という結果に終わった。

 ハミルトンが縁石の上を激しくバウンドしながら走るシーンがリプレイされ、これがトラブルにつながったとの見方もなされたが、メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、その時点ですでにトラブルは起きていたとして、その説を否定した。

「データから分かったのは、ルイスが通常どおりターン1の縁石を使った際にハイドロリック系の故障が起き、油圧がなくなったことでパワステが機能しなくなったということだ。それでテレビで映像が流れたように、ルイスのマシンはコースからはみだし、激しくバウンドしながら走ることとなった」

 タイトル争いにおいて大きな痛手を被ったハミルトンは、ショックを受けながらも、気持ちを切り替えて決勝でできるだけ多くのポイントを稼ぎたいと語った。

「きつい一日だった。だけどスポーツではこういう日も時にはある。これもレースの一部だ」

「ターン1でハイドロリック系のトラブルが起きて、パワステが機能しなくなり、コースからはみ出した。接戦でタイトル争いをしている時にこういうことが起きるとダメージは大きい。皆が必死に作業に取り組み、準備を整えたにもかかわらず、予選開始早々に外れなければならないなんて、本当にショックだ。打ちのめされ、事態を信じられない気持ちにもなる。だが黙ってやれることをやるしかない」

「あの時は、何としてもガレージにマシンを戻したかった。修理できるかもしれないと思ったんだ。僕は何が起きても絶対に諦めたりしないからね」

「今僕にできるのは、ネガティブなエネルギーを捨てて、明日チャンスが訪れると信じることだけだ。ホッケンハイムはシルバーストンよりもオーバーテイクが難しいが、全力を尽くす」

 ハミルトンは、F1公式サイトのインタビューで、自分の走りがマシントラブルを引き起こしたという説を否定している。

「僕がバンプに乗り上げたことが故障の原因だという説があるが、それは違う」

「ターン1出口の縁石は皆が使っている。パワステが壊れて、ステアリングがものすごく重くなり、マシンが左側に引っ張られるようになった。タイヤか何かのトラブルかと思ったよ。でもそうではなかった。ハイドロ系のトラブルだった」

「そのトラブルが原因でコース外に飛び出した。スピードに乗っていたから、減速できなかったんだ。その後、バンプに乗ったけど、それでマシンが壊れたわけじゃない」                                  

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