【50代から始めた鉄道趣味】その6

※2016年12月18日JR西日本芸備線布原駅

一度くらいは、何も計画を起てず、行き当たりばったりの鉄道旅をやってみたいとも思いますが。
実際には、タイトに予定を起てて鉄道旅に臨むことを基本にしました。理由は単純に宮脇俊三さんの様にJR全線を完乗しようと思い立ったからです。鉄道白地図というものを手に入れて、乗った路線をマーカーで塗っていくのがとても楽しかったのです。

時刻表の路線図を一筆書きでウロウロする計画を起てます。

2009年(平成21年)から始めて、約30回ほどの鉄道旅でJRは大都市近郊に乗っていない線区が若干残っている程度になりました。好きな路線、芸備線や三江線、木次線などはもちろん、幹線は何度も乗っています。

最近は専ら全国のローカルな私鉄に乗っています。大手16社、準大手5社以外の私鉄です。コラム【私鉄に乗ろう】をご覧ください。

しかし、最近、東武、近鉄、名鉄など長大な路線を全部トレースしてみたくなってきました。

ふ〜む。

※2016年7月29日錦川清流鉄道錦町駅

では、鉄道旅の目的を決めることから始めましょう。JR全線完乗に青春18きっぷを使った場合、おそらくカナリの日数がかかります。そもそも北海道に渡るにしても東京を始発で出ても、その日のウチに北海道に到達することはできません。

途中の路線に乗りながら、というのも良いですし、LCC(格安航空会社)を使って一気に北海道に渡ってゆっくり帰ってくるという方法もあります。

ここで1つ実例を出しましょう。

筆者は北海道宗谷本線の音威子府駅にある駅そば常磐軒の黒いそばを食べる計画を起てました。2015年3月のことです。

前年の2014年、2回北海道に渡って鉄道旅をしました。しかし、音威子府で常磐軒の駅そばを食べることができなかったのです。

1回目は音威子府に宿泊して稚内に向かったのですが、常磐軒の営業時間は9:30〜16:00。稚内では駅近くでレンタカーを借りて宗谷岬を探訪する予定を起てていました。稚内に向かう宗谷本線は音威子府6:22発(稚内着8:54)と9:20(同 11:56)、この2本では常磐軒の開店前です。しかし次の稚内行は13:55なので稚内に着いたら16:57で夕方。写真撮影が出来ません。

稚内から道央に戻る時に音威子府に寄ることも考えました。10:52稚内発なら音威子府に13:06に着きますが、稚内着から2時間弱でレンタカーを借りて宗谷岬まで行きレンタカーを返却するのは時間的に難しいでしょう。

次の14:12発なら余裕ですが、音威子府に着くのが17:21なので常磐軒は既に閉まっています。

それでこの時は常磐軒の黒いそばを諦めたのです。

※2015年3月20日JR北海道宗谷本線音威子府駅、コンデジ(コンパクト・デジタルカメラ)の画像は4:3で撮っています。また縦の写真も多いのでこの様な処理をしています。

東京の自宅から青春18きっぷで音威子府を目指すと1日目は始発に乗っても秋田県の大館までしか行けません。2日目は大館で始発にのっても函館本線の深川に22時がやっと。(北海道新幹線開通以前)3日目、深川から始発で音威子府着は13時37分です。

2泊するコストと飲食費を考えて、LCCで札幌に行く方法を採りました。しかし片道5000円のジェットスターは成田発6:10。自宅から始発で行っても間に合いません。

そこで前夜遅く東京駅八重洲を出る深夜高速バスを使うことにしました。25時半に八重洲を出て成田空港には午前3時半着です。

3月18日23時、「オレも音威子府常磐軒の駅そばが喰いたい!」という友人と八重洲で待ち合わせて居酒屋で旅の前途を言祝いで一献。25時過ぎに外に出ると雨が酷く降っていました。深夜バスの乗り場は行列。予約してあったのでスンナリ乗車して、バスが出発したら即爆睡でした。

3時半頃成田空港第2ビルに着くと照明は落とされていて暗いのが何だか新鮮です。4時過ぎからはチェックインが始まり、不必要に厳重な手荷物検査を通って出発ロビー。程なくゲートが開いてバスで飛行機まで行きました。エアバスです。

※2015年3月19日撮影

【50代から始めた鉄道趣味】その7 に続きます。(写真・記事/住田至朗)

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