二枚看板の夏終わる 長崎商の山田と桝屋

 2年ぶりのV奪回を逃した長崎商。山田と桝屋の左右二枚看板を軸に粘り強く戦ったが、海星の強力打線を抑えられなかった。先発した主将の山田は「追い込んでも負けずに振ってきて、強いな、と感じた。悔しいけど、全力でやり切った」と涙を拭った。
 好投していた山田が六回の先頭打者に二塁打を許したところで、2年生の桝屋が登板。気迫を前面に出して投げ込んだが、打球は次々と野手の間を抜けた。試合後、山田は「攻撃で中押し、ダメ押しができなかった。苦しかったと思う」と後輩を思いやったが、桝屋は「自分のせいだ」とグラウンドで泣き崩れた。
 山田ら3年生部員が、1年生の時にスタンドから応援した聖地への夢は、準決勝でついえた。桝屋は「先輩の思いを背負って、来年は春も夏も絶対甲子園に行く」と真っ赤に染まった目で雪辱を誓った。

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