「日本CFS建築協会」を設立 「薄板軽量形鋼造の建築物」普及へ

 薄板軽量形鋼造の建築物の普及促進、研究開発を進める「日本CFS(COLD-Formed Steel)建築協会(会長・曽田五月也早稲田大学名誉教授)」は19日夕、都内で設立総会を開催した。準備会から参加した25社に加え、当日は80社約120人が参集し、産学が一体となってCFS建築物の普及拡大、研究開発に取り組む。

 CFS建築物は重量鉄骨造と同等以上の耐久性や熱効率性、防錆性に優れるとされているが、一般的な認知度は低い。スチールハウス協会調べでは、市場シェアは約0・2%(16年度着工戸数1896/974137)にとどまっている。一方、海外では木造建築物とトータルコストが同等と認識されており、米国では戸建住宅の3%、重合住宅の16%をCFS建築物が占めているとされる。

 同協会ではCFS建築物に関する各種技術基準の作成を進めるとともに、性能・標準仕様の策定、また設計支援プログラムや軽量形鋼、金物類などの部材の安定供給体制を整備し、2022年度までに市場シェア1%を目指す方針だ。

 設立総会では、脇田健裕代表理事がCFS建築物の概要、協会の事業目標と今後の活動を述べたほか、CFS建築物の現状と課題として、薄板軽量形鋼造建築物に関わってきた識者らが講演。また曽田会長はCFS建築物の制振耐力壁が地震の耐震性にも優れる点などを強調、今後の普及拡大に期待を込めた。

 同会は15年に建築・構造設計や鉄鋼メーカー、建設会社やパネル・ねじ・金物製造販売と早稲田大による産学連携で研究会を発足、17年に準備会を設立して今回の協会発足に至った。運営組織は理事会傘下で技術・開発委員会など5委員会を設置し、技術・開発委員会内では構造PJや防耐火PJなどで各種研究開発を進める。

© 株式会社鉄鋼新聞社