中川鋼管、名古屋に大型新倉庫 25億円投資、2倉庫集約で在庫1.4倍強に

 鋼管流通の中川鋼管(本社・大阪市西区、社長・中川忠俊氏)は、名古屋市に大型の新倉庫を開設し、現在同市内にある二つの倉庫を集約する。物流の効率化、在庫の拡充を進め、加工設備の老朽化更新や増設で加工能力を増強する。また新倉庫は遮熱・断熱効果を高め労働環境を改善する。7月上旬に着工しており、来年2月に竣工、4月には稼働する予定。土地、建物など総投資額は25億円。倉庫集約後、名古屋市内にある当知倉庫は賃貸し、空見倉庫は売却する予定。中川社長は「倉庫の集約で、人員を適切に配置し、物流・加工の生産性を高めていきたい」としている。

 新倉庫となる潮見物流センター(仮称)は、伊勢湾岸道路の名港潮見インターから車で2分。鋼材流通が多く物流拠点を構える飛島村に近い。敷地が約1万1千平方メートルで、倉庫面積が約7400平方メートル。倉庫面積は、名古屋市内にある2倉庫の合計の1・4倍強となる。2階建て(延べ床面積460平方メートル)の事務所も建設し、当知倉庫に併設する名古屋支店を移設する。

 加工設備は、帯鋸切断機2基と短尺開先機1基を空見倉庫から移設。帯鋸切断機1基と開先機2基を老朽化更新する。また杭用丸パイプの切断や束ね切りができるよう大型の帯鋸切断機1基を増設する。在庫はグレーの角形鋼管などを拡充するほか、コラムの在庫高さを低くすることで、素管を取り出しやすくするとともに安全面を強化する。また屋根には太陽光発電パネル(総発電量1メガワット)を設置。壁材には、耐火性のあるロックウールを芯材としたサンドイッチパネルを使用。遮熱・断熱効果を高め働きやすい職場環境を整える。

 同社は、中径角を中心にコラム、STK、ガス管など鋼管全般を在庫し、仲間販売を主力とする流通。名古屋市内にある二つの倉庫は車で20分ほど離れているため、横持ちに手間と時間がかかっている。また両倉庫とも老朽化しているため、7年ほど前から倉庫を新たに建設し、集約することを検討していた。

 同社は、名古屋市内の2カ所のほか、大阪府下にも2カ所倉庫を構えている。全社で1万トン在庫し、月間5千トン販売しており、その半分を名古屋地区で占めている。2017年10月期の売上高は59億円。

© 株式会社鉄鋼新聞社