[ドローングラファ入門]Vol.01 ドローングラファという新しい職種

空(そら)好きな私がドローンを始めるまで

皆さん、こんにちは。大前創希(おおまえ そうき)です。

今までも各方面に寄稿しておりましたが、Drone.jpで私の連載を持たせていただく事になりました。少しだけ自己紹介をさせて頂きます。ドローン空撮好きが昂じて、ドローン空撮の会社設立に関わり、読売テレビにてドローン空撮専門番組の監修や、東京FM系列の番組「FUTURES 大前創希 BIRD VIEW」のパーソナリティもさせて頂いております。また、ドローンファンドではアドバイザリーボードとして各方面のドローン系企業と関わりを持たせて頂き、すっかりどっぷりドローン漬けの毎日を過ごしております。

とはいえ、私のバックボーンはデジタルマーケティングの仕事でして、(株)クリエイティブホープというWeb系コンサルティング会社を16年前に設立し、今でもその企業の創業者として仕事もしております。また、ビジネス・ブレークスルー大学/大学院にて、デジタルマーケティングや起業家に関しての講義も担当していまして、「大前さんは、今何をやっているんですか?」と聞かれると、それらすべてを一所懸命に頑張っております!という返答をする、かなり多動な人間です。

もともと旅行好き、空(そら)好き、動画静止画全般的な撮影好き、という性格的背景からドローン空撮にハマる要素は十二分に持っており、2015年ごろにParrotの機体を購入したことがきっかけとなって、今ではドローンなしでは生きていけない体になってしまいました。後悔は一切ありません(笑)。ドローンのご縁で素晴らしい友人も沢山増えましたしね!

少しだけ自己紹介のつもりが、結構沢山の事を書いてしまいましたが、本題に入りたいと思います。ドローン系の専門職として「空撮の専門家」という職があると認識していますが、その空撮を担う専門家の中にも、2つのパターンがあると私は考えています。

1つ目は、撮影に際して監督やディレクターといった、映像の方向性を決める意思決定者の指示の下、クオリティの高い映像を撮影するオペレーション技術の高い「空のカメラマン」というパターンです。2つ目は、空撮してほしいという曖昧な課題に対して、どのような映像を作るかという映像監督兼務の「空の演出家」というパターンです。どちらが優れているのか、という事ではなく、仕事の性質が違うという事と、求めるスキルや方向性が異なるという事を認識して、どちらの方向に自分が行きたいか、またはどちらが自分に向いているかという選択の話しだと考えています。

ドローングラファ「空のカメラマン」と「空の演出家」あなたならどちらだろう?

パラオにて撮影(2016年5月)

私はどちらかと言えば「演出家」傾向があると感じているため、地方自治体などの「空撮を使ったPR動画を作りたい!」という曖昧な課題に、どこで撮影するか、どんなアウトプットを目指すか、どんなメディアに載せるか、といったことまでをお手伝いしていまして、半分以上はデジタルマーケティングやプロデュースといった領域の仕事をしているように思います。空撮をするというのは、その過程での素材収集という極々一部の仕事でしかないのです。

デジタルマーケティングの仕事の一部として、撮影ディレクションなども経験をしてきた事から、これらの演出をするという仕事は、クライアントからの曖昧な「こんなカットがほしい」という要望に、自身のもつ技術をつかって演出を決めていくフォトグラファの姿に近い仕事なのでは?と、ふと感じた事がありまして、高いレベルのオペレーティング技術を駆使した仕事と、演出を加えた作家的な仕事は、本来分けるべきでは?という思いに至りました。繰り返しますが、どちらが優れているという話しではなく、方向性の違いを認識する事が大切だと私は感じたのです。

すこし話が逸れますが、YouTuberという新しい仕事に近年注目が集まってきています。これは、ネットで動画を視聴するという行動が一般的になり、その動画を一般消費者も簡単に作りアップすることが出来る事から「職業」として成り立つようになった、と私は考えています。

ドローン空撮においても、誰でも空撮できるようになった時代に合わせ職業として新しい呼び方が必要だ!ということで、「ドローングラファ」という造語を考えてみました。ドローンとフォトグラファを組み合わせた単語です。ドローンパイロットではなく、映像監督的な事も含めて「こんなイメージの映像がほしい」という要望に答えるべくドローンをツールとして使いこなす。撮影した動画を自分で加工し一つの作品として仕上げる。こんな活動が仕事の中心であるならば、今日から是非!「ドローングラファ」という職業を名乗ってみてはどうでしょうか?

私も皆さんに認められるようなドローングラファを目指して、自分の品作りやお客様の要望に応えることが出来るよう、頑張っていきたいと考えています。

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