16万トン級客船 初入港 延伸の三浦岸壁

 クルーズ客船「ノルウェージャン・ジョイ」(16万7725トン)が23日、16万トン級として初めて佐世保に入港した。大型クルーズ客船の受け入れを目的とした三浦岸壁の延伸工事が完了し、可能となった。長崎県佐世保市は佐世保港国際ターミナル(干尽町)でセレモニーを開き、乗組員らを歓迎した。
 三浦岸壁は延伸に伴い全長370メートルとなり、16万トン級の船が入港できるようになった。7月1日から寄港が始まる予定だったが、台風の接近で中止となっていた。
 この日は上海から入港した。乗客は約4580人で、乗員約1770人。主に中国人観光客で、市内を散策した。
 歓迎セレモニーで、朝長則男市長は「佐世保が思い出に残る場所となり、何度も訪れてほしい」とあいさつ。三川内焼の記念品を受け取ったバナー・ハメリン船長は「すばらしい港に入ることができてうれしい」とお礼を述べた。その後、関係者で鏡開きをして入港を祝福した。
 16万トン級として初めて佐世保に入港した「ノルウェージャン・ジョイ」の見送り行事では、市にゆかりのある人たちが制作に携わった楽曲「I Love SASEBO」が初めて演奏された。市は新しい「見送りソング」として定着を目指す。
 楽曲は、ハウステンボスで演奏活動をしていたルーマニアの音楽家、カタリン・エネ氏が作曲。帰国する際に、世話になった佐世保市民への思いを込めた。作詞は、さまざまな団体での活動を通じ佐世保の国際化に尽力している富永一子さん(89)が手掛けた。7月から佐世保港国際ターミナル1階ロビーで、出国時などに流れている。
 演奏は地元のジャズバンド「R.I.Z」が担当。関係者が手を振って見送る中、乗客も優しいメロディーに聴き入っていた。行事に駆け付けることはできなかったが、富永さんは「演奏してもらい光栄。歌いやすい曲なので、広まってほしい」と話していた。

16万㌧級として初入港した「ノルウェージャン・ジョイ」=佐世保港
クルーズ船の見送りで「I Love SASEBO」を演奏する「R.I.Z」=佐世保港

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