熊本市の繁華街に「ぼったくり」…熊本中央署取り締まり強化

暴力団事務所を家宅捜査し、押収品を運び出す県警の捜査員ら=5月23日午前、熊本市中央区
暴力団排除キャンペーンで、標章を掲げる飲食店に聞き取り調査する熊本中央署員ら=6月27日夜、熊本市中央区

 熊本市の繁華街で、法外な料金を請求する「ぼったくり」や執拗[しつよう]に付きまとう「客引き行為」などの悪質営業が横行し、経営者らの摘発が相次いでいる。熊本中央署は今年1月から7月中旬までに、風営法違反容疑で7人を逮捕。一部は暴力団の関与も疑われ、署は飲食店を隠れみのにした資金源になっているとみて取り締まりを強化している。

 署によると、摘発されたのは、全て「ガールズバー」と呼ばれる店舗。実態は風俗店でありながら、県公安委員会の風俗営業許可を受けずに、男性客の隣に女性を座らせて接待させたり、18歳未満の少女を働かせたりしていた疑いだ。

 ■組事務所を捜索  なかでも今年5~6月に同法違反容疑で20代の男2人が逮捕された事件は、暴力団の関与が強く疑われるという。署は当初、20代の男を経営者とみて逮捕したが、その後の調べで、別の2人が実質的な経営者だったことが分かった。

 これまでの調べで、この3人が熊本市中央区の指定暴力団神戸山口組系の組事務所に度々出入りしていたことも判明。署は5月下旬に組事務所を家宅捜索した。

 署は「暴力団が組員ではない第三者に資金を与え、店を経営させていた可能性もある」として、慎重に裏付け捜査を進めている。

 ■標章制度を導入  事件の摘発の一方で、県警は「標章制度」による暴力団排除も進めている。県警は2011年7月、全国に先駆けて同制度を導入した。県条例で下通や新市街などの繁華街を特別強化地域に指定し、地域内の飲食店や風俗店などに標章を配布。標章を掲げた店に暴力団員が入店すれば、署は中止命令を発出し、違反すれば50万円以下の罰金を科すことができる。

 標章は延べ約2300枚発行。署によると、店舗の入れ替わりもあるが、対象となる約2千店のうち7割以上が標章を掲示しているという。捜査幹部は「標章制度で暴力団の締め出しは、かなり進んでいる。だが、今回の事件捜査で、暴力団が巧妙に姿を隠しながら、歓楽街の利権に絡んでいる実態が垣間見えた」と警戒を強める。

 県警は7月1日を「暴排の日」と定め、今月にかけて制度の周知を強化している。6月下旬の夜には、中心繁華街を管轄する熊本中央署の署員ら84人が巡回し、「ぼったくり」など悪質な営業をする店舗を指導した。

 松岡範俊署長は「暴力団の影は表面上、見えなくなっているが、確実に裏で糸を引いている。安心して楽しめる繁華街にするため、あらゆる法令を適用し、徹底して摘発する」と力を込める。(県警取材班)

(2018年7月24日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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