F1現役を退いたフェリペ・マッサ、8月4~5日開催のストックカー・ブラジルに再参戦

 サッカー・ワールドカップの開催にあわせてサマーブレイクに突入していたブラジル最大のツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジル。そのシリーズ第6戦ゴイアニアに、今季3月の開幕戦で同選手権デビューを果たした元F1ドライバーのフェリペ・マッサがふたたびゲスト参戦を果たす。

 夏休み明けの初戦となるこのゴイアニアでのレースは、8月4~5日の週末にブラジル中西部ゴイアス州に位置するアウトドローモ・インテルナショナル・アイルトン・セナのトラックを舞台に、高額賞金100万レアル(約2950万円)が掛けられたMillion Race(ミリオン・レース)として開催される。

 2018年開幕戦として3月にサンパウロのインテルラゴスで開催された2名1組のダブルスでシリーズ初参戦を果たしたマッサは、今回は自身のマシンとなるカーナンバー19のシボレー・マリブをドライブすることが決定。

 強豪シムド・シボレー・レーシングの一員として、開幕でタッグを組んだ“帝王”カカ・ブエノや、マルコス・ゴメス、フェリペ・フラーガ、ルーカス・フォレスティ、そして同じくゲストドライバーとして参戦する隣国アルゼンチン、スーパーTC2000の元王者、アグスティン・カナピノらのチームメイトとして戦うこととなる。

「ふたたびシムド・レーシングのメンバーとゴイアニアのミリオン・レースに参戦することを発表できてうれしい。F1での16年間のキャリアを経てインテルラゴスでカカと組んでダブルスを戦ったけれど、すごく楽しかったんだ」と、再参戦に向け喜びを語ったマッサ。

「僕らはレースでとてもコンペティティブだったけど、トップ3圏内に浮上した途端にエンジンにトラブルを抱えたんだ。だから表彰台を目指して戦う道が閉ざされてしまった」

「その感触が残っていて『もう一度レースをするチャンスを!』なんて本当は冗談めかして言っていたんだけど、こうして実現するなんて最高だ。しかもミリオン・レースなんて重要な舞台でね。この機会をくれたシムド・レーシングには本当に感謝している」

 マッサに対し、F1引退時のカーナンバーと同じマシンを用意することになったシムド・レーシングは、開幕戦がダブルスという特別な形態の1戦だったこともあり、今回のレースがマッサの事実上「国内復帰戦」だと位置付けている。

「開幕戦では、チームのメンバー全員がストックカーへの迅速な適応力に驚いたんだ」と、チーム代表を務めるウイリアム・ルーベ。

「そのフェリペをふたたびチームに迎えることができて本当に光栄だよ。今回は総勢6台のマシンでミリオン・レースに挑むことになるが、すべてのドライバーに賞金獲得のチャンスがある。フェリペの参戦は高額賞金以上に、全員のモチベーションになることだろう」

 シムド・レーシングは2016年にもこのミリオン・レースを制しており、そのときの勝者フェリペ・フラーガは、21歳で史上最年少のストックカー・チャンピオンに輝いている。

 一方、もうひとりの強力なゲストとして参戦が決まった28歳のアグスティン・カナピノは、隣国アルゼンチンのスーパーTC2000シリーズで2度の王座獲得経験を持ち、2016年にはシボレー・ワークスのYPFクルーズをドライブしてタイトルを勝ち獲っている。

 また、同じくアルゼンチンのTOP RACE V6でもチャンピオンとなり、通算11のタイトル、78勝、163の表彰台と79のポールポジションを獲得した、文字通りアルゼンチンを代表するツーリングカーの名手でもある。

「僕にとってシムド・シボレー・レーシングの一員としてストックカー・ブラジルに参戦できるなんて、本当に光栄なことだ。シリーズで最も重要な1戦に招待してもらったからには、できうる限りの準備をして挑みたいと思っている」とカナピノ。

「このチャンピオンシップは1秒以内に30台以上がひしめくとてつもなくハイレベルなツーリングカー選手権だ。高額賞金とも合わせて注目度も高いだろうし、アルゼンチンで培った技術をフルに活用して、シムド・シボレー・レーシングを良いリザルトに押し上げたい」

 そのほか、王者ダニエル・セラやシリーズのレギュラー陣であるルーベンス・バリチェロ、リカルド・ゾンタ、アントニオ・ピッツォニア、ルーカス・ディ・グラッシ、ネルソン・ピケJr.らに加えて、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタの参戦も決まっている。

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