【やまゆり園事件2年】追悼式参列者が減少 黒岩知事、風化に危機感

 黒岩祐治知事は24日の定例会見で、23日に相模原市南区で行われた津久井やまゆり園殺傷事件の県主催追悼式で参列者が昨年から微減したことを受け、「参列者の数が減ったということを重く受け止めたい」と事件の風化に危機感を募らせた。

 関係者によると、式典参列者は昨年の671人から609人に減少。12組25人だった遺族の参列も、今年は9組19人にとどまった。

 知事は「生々しい現場の様子は片時も忘れることができない」と振り返る一方、「こういう事件が起きた時は大変な衝撃で関心が高まるが、時とともに風化していくことが一番怖い」と強調。事件を受けて制定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の普及に一層注力すると誓った。

 また、式典で読み上げた犠牲者19人をしのぶエピソードが昨年と同じ内容だったことについて「家族会や(施設を運営する)かながわ共同会と話をした結果、実名を出せない状況では同じ表現で(故人を)思い浮かべる方が良いだろうと考えた」と説明。さらに「エピソードの紹介の仕方は来年に向けて検討していくが、憲章の普及をしっかりやっていくことで参列者の数が減らないようにしていきたい」と決意を示した。

黒岩祐治知事(資料写真)

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