根津鋼材、顧客指定「梱包仕様」を大画面モニタに表示し確認容易に 可視化で作業効率改善

 コイルセンター(CC)ではレベラーカットシート製品やスリットフープ製品を出荷する際に必ず梱包するが、その梱包仕様は顧客指定によって千差万別。

 顧客は荷卸し方法や保管方法、使用するまでの期間などを考慮して梱包仕様を定め、CCに依頼する。従って、中身が同じでも納入場所が異なると仕様が変わることもしばしば。顧客の数が多ければ梱包仕様も「何万通り」に及ぶ。日々納期対応に追われる現場にとって作業は煩雑だ。

 とはいえ梱包は、加工製品の寸法・精度・ロットと同様「客先製品仕様」の重要要素の一部。どんなに「繁忙」でもヒューマンエラーは許されない。

 この問題を解決するため、有力CCの根津鋼材(本社・東京都荒川区東日暮里、社長・根津訓光氏)では、顧客ごとに指定された梱包情報を大型モニタ画面に映し出し、バンド仕様やスキッド形状など項目別に簡潔に表示するとともに梱包イメージ(完成図)も可視化した。

 浦安事業所(浦安第1鉄鋼団地内)の大型レベラーラインのパイラー上に、50インチのモニタ画面を左右に2台セット。画面には「バンド仕様」「外装仕様」「スキッド材質」「スキッド形状」「機能桁の有無」「その他特記事項」の項目ごとに必要な情報を記し、その横には梱包イメージ図も表示してある。

 文字は大きな太字で記され、かつ図柄もカラーで分かりやすいので、少し離れた梱包作業場からも梱包仕様(荷姿)が一目瞭然だ。

 CCでは各種梱包仕様を4桁のコードナンバー化するケースもあり、同社も実施する。

 今回、この数字コードにオリジナルの「梱包モニタ」システムを加え、浦安事業所で運用を始めた。簡便な文字情報とイラストによる〝見える化〟でライン繁忙時に他部署から応援にきたスタッフでも間違いなくスピーディーに梱包作業でき、成果を挙げている。

 これを踏まえ、同社では他ライン、他拠点へも段階的に水平展開することで顧客満足度向上につなげていく考え。フープ梱包についても準備を進めている。

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