国交省、建材需要連絡会議を開催 鉄連、重仮設業協会など出席

 国土交通省は23日、東京・霞が関の中央合同庁舎4号館で2018年度建設資材需要連絡会合同会議を開いた。日本鉄鋼連盟(鉄連)や鉄鋼スラグ協会、重仮設業協会など鉄鋼関連団体や国交省、経済産業省の官庁関係者ら約50人が出席し、建設投資見通しや各業界の需要動向、西日本豪雨に伴う復旧資材情報などを基に意見を交わした。

 開会挨拶で奥谷正大臣官房技術参事官は「今年は熊本地震や九州北部豪雨などの被災地復旧事業、2020年の東京五輪・パラリンピック関連事業の本格化を迎える。さらに西日本豪雨でも本格的な復旧に対し大量の建材が必要とされることが予想される」と需要動向に言及。「引き続き連絡会間の連携を密にし、本日の内容を各地方にも周知徹底していただきたい」と協力を求めた。

 各団体からの報告で、鉄連の担当者は鉄鋼需給と鋼材輸出入について説明。需給については「国内出荷は今年4~5月がプラスで、建設全体や製造業は旺盛。一方で造船業のみ世界的な船腹過剰感もあり、受注統計ではマイナスが続き基調が弱いが、総じて内需は堅調だ」と指摘。粗鋼生産は「17年度は1億500万トンほどと横ばいだったが、18年度は若干上回る見込みだ」との見通しを示した。

 西日本豪雨については「電炉は影響がなかったが、高炉は工業用水が入手できず生産が滞った。現在は広島でも水が確保でき、通常に戻しつつある」と説明。被災地への資材の安定供給でも「厚板やH形鋼など各品種で国からの要請に漏れがないよう、速やかな対応を心掛けたい」と語った。

 このほか、経済調査会が豪雨被災地での主要建材需給に言及。重仮設鋼材については、仮設ガードレールや落石防護柵用のH形鋼・鋼矢板の引き合いが出ており、1件当たりは10トントラック1~2台程度とする需要状況を解説。ただし範囲が広範なため、被害詳細の判明後にはさらに多くの重仮設鋼材が必要との見方を示した。

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