【新日鉄住金グループ企業の〝今〟36】〈日鉄住金防蝕〉防食事業、グループの製造基盤整備に貢献

社会インフラの長寿命化提案にも注力

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 日鉄住金防蝕(本社・東京都江東区、社長・萬ヶ谷鉄也氏)は、新日鉄住金グループの総合防食メーカー。鋼管の「被覆コーティング」、さまざまな工法を駆使して設備などの長寿命化を提案していく「防食エンジ」、土木・道路関係資機材の加工を手掛ける「粉体塗装」の3事業を主力としている。創業からの65年は、防食技術・サービスを通じてグループ企業の製造基盤整備や社会インフラの構築、長寿命化、延命化に貢献してきた歴史だ。

 今期からスタートしたグループの新中期経営3カ年計画にあたって、日鉄住金防蝕は「社会資本の延命化、エネルギー市場において独自の存在感を発揮して収益拡大を図る」を基本コンセプトに置く。社内では「全社シナジーの発現と業務実行力・積極性を促進」をキーワードに人的競争力を高めていく。全社シナジーの面では、主力3事業の横の連携・深化を強化。技術と人の移動を活発化し、個々のスキルアップも狙う。最終年度までに、現在の年間売上高60億円規模から2割増を目指す。

 被覆コーティング事業では、昨年10月新日鉄住金和歌山製鉄所構内のコーティング事業を受託して和歌山工場を設立した。また、君津工場(君津製鉄所構内)の塗覆装ラインの老朽化更新を実施。品質の向上と安定性、強固なコーティングが可能となった。和歌山、君津、光(山口県光市)を合わせた総合力で技術力、品質競争力を強化。また鋼管被覆設備管理体制の強化、防食技術開発力向上などにも注力する。

 防食エンジは、製鉄所の護岸工事や製造基盤整備を担う。本体の建材事業部や新日鉄住金エンジなどとグループの連携を強化しつつ、独自技術であるTP工法やチタン箔塗膜補強などで社会インフラの長寿命化を提案していく。チタン箔による塗膜耐食性補強は昨年、国の重要文化財に指定されている善光寺(長野市)の経蔵で耐震補強用付属部材として採用されたほか、紫外線や衝撃に強いメリットから橋梁向けなどでも採用実績を挙げている。

 粉体塗装事業では昨年、業務効率化を図るため営業所を集約。現在は大泉工場(群馬県邑楽郡大泉町)でブラスト設備を増強中で、今下期からの稼働を予定している。土木・道路関連需要が堅調に推移する中、引き続き地際防食加工や特殊被膜の拡販を目指していく。また、農業資材など新分野への拡充も目指す。

 今中計期間中には、社内の設備管理体制の強化を図り、人材の育成・拡充と体制強化を継続。「防食の専門家集団」としての機能を高め、グループ内外でさまざまな提案営業を行っていく方針だ。

企業概要

 ▽本社=東京都江東区

 ▽資本金=4億円(新日鉄住金100%)

 ▽社長=萬ヶ谷鉄也

 ▽売上高=62億円(18年3月期)

 ▽主力事業=鋼管その他の塗覆装加工・防食加工、防食エンジニアリング事業

 ▽従業員=219人(18年3月現在)