ニホンケミカル、印字装置付き形鋼切断システムを尾道工場で増設自動化を促進 自動化を促進

 ニホンケミカルが、条材加工を手掛ける尾道工場に、自動マーキング装置付き形鋼切断一貫システム「ANS平鋼形鋼6軸ロボット切断システム」(大新技研製)を増設し、2ライン体制とした。

 昨年春に、尾道第1工場で1号機が稼働。品質・精度の安定性や高速加工、現場オペレータの作業負担軽減や安全性向上などの導入効果を見極めたうえで2号機を第2工場に設置。6月末から本格操業を開始した。

 本システムは、部材ナンバーや罫書き線の自動印字装置とプラズマ切断装置(260アンペア)を同一ライン上に共載。上位コンピュータでプログラミングされたNCデータに基づき、2台の多関節ロボットがマーキング処理とプラズマ切断をそれぞれ行う。この間、人手は一切介さない。

 第1工場ではインバートアングルなど形鋼を主体とし、新設した第2工場では造船用平鋼を中心とする考え。形鋼だけでなく平鋼についても短納期対応力が高まり、顧客サービス向上につなげる。

 一方、建設関連向けなど精度要求がシビアで機械化・自動化しづらい部材加工も多く、これらは熟練オペレータが手作業で丁寧に行う。Y開先を伴うような複雑な部材加工にマンパワーを集中・有効活用することで難度の高い注文でも納期対応力を確保する狙い。

 受注内容や用途に応じて機械設備による自動化とマンパワーによる熟練手作業とをすみ分けし、その特性を生かして顧客の求める品質・スピード・納期に応えることで存在価値を高めていく。

 同社では尾道工場での実績を踏まえ、同じように条材加工を手掛ける浦安工場(千葉県)やグループ会社の函館スチールセンターにも同システムの導入を計画する。人手を伴う重作業を積極的に自動化・機械化にシフトすることで将来の人手不足(現場作業者の人材確保難)への〝備え〟でもある。

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