清正の遺構「上井手」、水車の歴史…大津の水文化つづる 町づくり団体が冊子発行

「上井手の水とともに生きる町づくりの会」のメンバー。後列右が村下洋一さん。右手の格子戸の奥は、熊本地震で水路が被災し止まったギャラリー&和カフェ「水車物語」の水車=大津町
「上井手の水とともに生きる町づくりの会」が発行した冊子「歴史と文化薫る大津町」

 大津町の水文化を語り継ぐ町づくり団体「上井手[うわいで]の水とともに生きる町づくりの会」(野村哲也代表)は、加藤清正の“遺構”で町内を流れる農業用水路「上井手」と、その恩恵を受ける水車の歴史などをまとめた初の冊子「歴史と文化薫る大津町」を発行した。

 町文化財保護委員で同会顧問の村下洋一さん(71)が2017年7~9月、熊日夕刊「一筆」欄に連載した全11回の記事を中心に、登場する史跡の現状などを載せている。

 上井手は、清正が入国した際に構想したとされる農業用水路。熊本市中心部を流れる坪井川の合流地点まで全長24キロ。江戸時代は人や牛馬を養う生活用水としても使用され、地域にとっては「命の水」だった。

 冊子は、難工事だったとされる上井手の逸話のほか、井手からの取水を動力とする水車が精米や製粉、製油、製材など町の産業に幅広く貢献した歴史などを紹介している。

 地元の国指定重要文化財「江藤家住宅」の11代当主江藤武紀さんのインタビューや、町の歴史と文化を紹介するガイドの養成など同会の今後の活動方針も記されている。

 同会の千田哲夫さん(66)は「大津町の歴史と文化の理解を深め、次の世代につないでいきたい」と話す。

 A4判18ページ。3千部を発行し、制作費は東京エレクトロン九州NPO等支援事業の助成金を充てた。町の公共施設や、JR肥後大津駅南口のビジターセンターなどで無料で手に入れることができる。(田端美華)

(2018年7月25日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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