「一刻も早い方向付けを」 整備方式でJR九州社長

 JR九州の青柳俊彦社長は25日、新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備方式について話し合う与党検討委員会が決定を先送りしたことについて、「方向付けされなかったことは残念」とし、「一刻も早い方向付けをしてもらい、次の全線開業にたどりつきたい」と述べた。
 長崎ルートは2022年度に新幹線と在来線特急を乗り継ぐ「リレー方式」で暫定開業する。青柳社長は同方式の長期化について「(JR側が負担する武雄温泉-長崎間の)リース料が払えないのではないか。要するにわれわれのプラス分がない状況に陥りそうだ」と赤字になるとの認識を示し、あらためて強い懸念を表明した。
 また、先日公表した路線別の1キロ当たりの1日平均乗客数を示す「輸送密度」について、国鉄時代の指標を挙げ「路線別に状況は異なるが、(当時の指標である)2千人から4千人以下は基本的に鉄道で維持するには困難なエリアだと言える」と述べた。その上で「現時点で予定はないが、将来的には鉄道網の維持について地元と協議したい」との考えを示した。

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