北洋銀行「SDGs推進ファンド」で第1号出資先を決定

北洋銀行は7月9日、同行などが設立した「北洋SDGs推進ファンド」から、第1号出資先として道内の2社に計2500万円を出資すると発表した。出資先の「メディカルフォトニクス」(札幌市・飯永一也代表取締役)と「ポーラスター・スペース」(札幌市・中村隆洋代表取締役)はともに北海道大学発のベンチャー企業。同ファンドは「起業・創業」を主要テーマとし、地域や産業の持続可能な発展に向け、道内中小企業を支援していくという。(オルタナ編集部=堀 理雄)

「北洋SDGs推進ファンド」は、北洋銀行などが今年6月に設立した。

SDGs(持続可能な開発目標)の課題に取り組む北海道の中小企業の支援を通じ、北海道の持続可能な発展に貢献することを目的としている。

ファンド総額は5億円で、1社あたり3000万円を上限として出資する。運営・管理はシンクタンクの北海道二十一世紀総合研究所(札幌市・中村栄作社長)が担当する。

今回出資が決まった1社のメディカルフォトニクスは、採血することなく血中の脂質を測定する医療用計測器を開発・製造している。

もう1社のポーラスター・スペースは、ドローンや衛星から超高精度の分光器で農業用地などを解析し、作物の病気の有無や土壌の状態などの情報を得る先進技術を開発している。

いずれも新しい取り組みとして、業務展開が期待できるという。

北洋銀行 経営企画・広報室の太田仁広報室長は、「人口減少や少子高齢化が全国に先駆けて進む北海道において、新しい事業を育てていく取り組みは極めて重要となる。今回出資を決定した2社には、医療・福祉、食・農業といった成長分野を後押しする優れた技術力を持っていると判断した。当行は出資のほか販路拡大、経営サポートなど2社を全面的にバックアップしていく」と出資を決定した理由を説明した。

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