NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 第20戦ロードン レースレポート

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第20戦ロードン

“ビッグ3”のカイル・ブッシュが2位、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が4位フィニッシュ

 ロードンの1マイルオーバルで行われたカップ・シリーズ戦では、今季“ビッグ3”として前半戦を席巻したカイル・ブッシュが2位、マーティン・トゥルーエクス・Jr.が4位フィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズではクリストファー・ベルが前戦に続く2週連続勝利でレギュラー勢トップの今季3勝目を挙げました。トラック・シリーズは唯一のダート戦。トヨタ・タンドラは3台がトップ10フィニッシュを果たしました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第20戦 Foxwoods Resort Casino 301
開催日:7月22日

“ビッグ3”のカイル・ブッシュが2位、

マーティン・トゥルーエクス・Jr.が4位フィニッシュ

 7月22日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第20戦『Foxwoods Resort Casino 301』が開催されました。
 
“マジック・マイル”の愛称を持つ、浅いバンク角が特徴の1マイルオーバルでは、プレーオフの1戦を含め年間2戦カップ・シリーズが開催されており、トヨタは過去9勝。昨年夏の大会ではデニー・ハムリン、秋の大会ではカイル・ブッシュが勝利。ハムリン、カイル・ブッシュともにトヨタ移籍以前を含めるとそれぞれ通算3勝を挙げているコースで、今大会も活躍に期待がかかりました。

 22日(日)は午後1時過ぎに決勝レースのスタートが予定されていましたが、降雨のために延期となり、3時間ほど遅れた午後4時24分、1.058マイルオーバルを75周、75周、151周の3ステージ合計301周(318.5マイル:約510km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
 
 トヨタ勢は前戦ケンタッキーで完勝し今季4勝目を挙げたマーティン・トゥルーエクス・Jr.が最前列2番手スタート。カイル・ブッシュが3番手、ハムリンが4番手と2列目に並び、エリック・ジョーンズとダニエル・スアレツも7番手、9番手とトップ10圏内からスタートを切りました。

苦しみながらも首位を争い、2位フィニッシュを果たしたカイル・ブッシュ

 しかし、トゥルーエクス・Jr.以外のトヨタ勢はハンドリングに苦しみ、中盤のピット戦略の違いによりポジションを落とした後、中団グループでの戦いとなりました。
 
 ステージ1は48周目に首位に立ったマーティン・トゥルーエクス・Jr.が制し、今季6度目のステージウィン。カイル・ブッシュが苦しみながらもポジションを上げ6位でステージを終えました。

 ステージ2はトゥルーエクス・Jr.が首位を逃げ、カイル・ブッシュは5位争いを展開。ステージ終盤に惜しくもトゥルーエクス・Jr.はライバルにかわされ、3位。カイル・ブッシュはステージ2も6位となりました。

 ステージ3は、スタート前にカイル・ブッシュが大幅なセッティング変更を行ったためタイムロス。11位へと順位を落としての再スタートとなりましたが、このセッティング変更が効を奏し、カイル・ブッシュは168周目にはトップ5へ浮上。

 その後カイル・ブッシュはさらに順位を上げ、トゥルーエクス・Jr.、そしてケヴィン・ハーヴィック(フォード)の、今季ここまで3人で14勝を挙げている“ビッグ3”による首位争いを繰り広げました。

 カイル・ブッシュは246周目に出されたイエローコーション時にピットの好作業に助けられ首位に浮上。残り39周での再スタートでも好ダッシュを決めて、首位で終盤戦へ。

 じりじりと差を詰めてきたハーヴィックとの一騎打ちでの首位争いは、接触するほどの激しいバトルとなりましたが、カイル・ブッシュは惜しくも先行を許し、2位でチェッカー。トゥルーエクス・Jr.も終盤タイヤの摩耗に苦しみ4位フィニッシュとなりました。

 次戦第21戦は7月29日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われます。

ドライバー カイル・ブッシュ

「今週はずっと苦しみました。練習走行の時から努力を続けてきましたが、決勝レースを迎えても、なかなか状況は改善しませんでした。しかし、クルーチーフの素晴らしい判断とピットクルーの完璧な作業に助けられました」

「ポジションアップは主にピットでのもので、最後は勝てそうな位置まで上がることができました。最後の再スタートでは首位に立ち、後方をやや引き離すことはできましたが、この週末、ロングランでは我々は最速ではありませんでした。ライバル勢は本当に速かったです」

NASCAR XFINITY SERIES
第18戦 Lakes Region 200
開催日:7月21日

クリストファー・ベルが2週連続勝利!

 7月21日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第18戦「Lakes Region 200」がニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催されました。

 21日(土)午後4時16分、1.058マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(211.6マイル:約340km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションの車両がペナルティで後方に下がったため、予選2,3番手のクリストファー・ベルとライアン・プリースが最前列からスタートを切りました。

 2台はワン・ツー体制のままイエローコーションの出なかったステージ1を走り切り、ベルが今季3度目のステージウィン。プリースが2位、ブランドン・ジョーンズが6位となりました。

NASCARエクスフィニティ・シリーズ第18戦Lakes Region 200

 
 ステージ2では、カップ・シリーズのレギュラーで、元チャンピオンでもあるブラッド・ケゼロウスキー(フォード)がピットで首位に立ち、プリースがこれを追っての首位争いを展開。ステージ2は終盤にイエローコーションが出されたため、ベルはここでピットインする作戦に。ステージ2はプリースが3位、ブランドン・ジョーンズが4位、ベルは8位で終えました。

 ステージ3スタート前、ベルはピットへ向かわず、他の上位勢がピットへ向かったため、ベルが2位で再スタート。119周目にはベルが首位を奪還しました。その後はケゼロウスキーとベルの首位争いとなり、残り18周でのイエローコーションからの再スタートでベルが首位に浮上。ケゼロウスキーからの猛追を受けましたがベルはこれを抑えきってトップチェッカー。前戦ケンタッキーに続き2週連続の勝利で、シリーズレギュラーでは単独トップとなる今季3勝目を挙げました。
 
 ベルはこの2連勝で一気にランキング2位へ浮上。既に進出を決めているプレーオフに向けても、さらにポイント(*)を追加しました(*プレーオフポイント:ポイントがリセットされるプレーオフ中にも持ち越せる)。

 プリースは3位でチェッカーを受け、今季5戦目のスポット参戦で4度目のトップ10フィニッシュ。ブランドン・ジョーンズも6位に入り、今季8度目のトップ10フィニッシュとなりました。

 次戦第19戦は7月28日(土)、米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで行われます。

2週連続勝利で今季3勝目を挙げたクリストファー・ベル

ドライバー クリストファー・ベル

「このチームで、こうしてエクスフィニティ・シリーズを戦えるなんて夢にも思っていませんでした。支えてくれているチームやスポンサー、TRD-USAの全員を誇りに思います」

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第13戦 Eldora Dirt Derby
開催日:7月18日

ダート戦で3台のトヨタ・タンドラがトップ10フィニッシュ

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第13戦「Eldora Dirt Derby」が7月18日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催されました。
 
“エルドラ・ダート・ダービー”はNASCARトップ3カテゴリーでは唯一のダート路面でのレースとして、2013年から行われています。グリップの低い路面で絶対速度こそ遅いものの、NASCAR車両が様々なライン取りで抜きつ抜かれつの大迫力のレースを繰り広げることで、夏の人気イベントとして定着しました。

NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第13戦Eldora Dirt Derby

 このレースには、全米各地で行われ人気のダートオーバルシリーズからドライバーが数多くスポット参戦します。トヨタ勢でも昨年のミジェットシリーズチャンピオンである21歳のローガン・シーヴェイらがトラック・シリーズデビューを果たすこととなりました。

 エルドラでのダート戦は通常のレースとは異なるフォーマットで進められます。1台ずつ2周アタックの予選の結果で、5グループに分かれてそれぞれ10周の予選レースを戦い、各レースの上位5台が決勝進出。残ったドライバーはラストチャンスレースに臨み、トップ2が決勝へ。残るグリッドはオーナーポイントで決定されます。

 トヨタ勢では予選レース2で18歳のトッド・ギリランドが勝利。シーヴェイが2位、ブレット・モフィットが3位で決勝へ進出。しかし、レギュラードライバーでランキング2位につけるノア・グラッグソンはレース3で6位に終わり、ラストチャンスレースへ。このレースで2位に入り、27番手スタートとなりました。

 午後9時25分、夜空を花火が彩る前で、4列でのパレードラップを経て、0.5マイルダートオーバルを40周、50周、60周の3ステージ合計150周(75マイル:約120km)して競われる決勝レースがスタート。コーナー進入時にはドリフトしながらの3ワイド、時には4,5ワイドにもなって激しく順位を入れ替えるバトルが繰り広げられました。

 ステージ1は、7番手スタートのシーヴェイが最後までサイド・バイ・サイドでの首位争いを繰り広げましたが惜しくも2位となりました。ステージ2もシーヴェイがトヨタ勢をリードし3位。ギリランドが6位。
 
 シーヴェイはステージ3でも首位を独走し、デビュー戦での勝利なるかと思われましたが、残り20周を切ったあたりからスピンなどによるイエローコーションが連発。最後はレース延長による2周決戦“オーバータイム”に。
 
 トヨタ勢はこの度重なるイエローコーションでややポジションを落とし、モフィットが5位、グラッグソンが6位、シーヴェイが8位でチェッカー。3台がトップ10フィニッシュでレースを終えることとなりました。

 次戦第14戦は7月28日(土)にポコノ・レースウェイで開催されます。

6位フィニッシュを果たしたノア・グラッグソン

ドライバー ブレット・モフィット

「今夜はここエルドラでとても楽しむことができました。我々のトヨタ・タンドラはとても好調でした。このレースウイーク、貴重な経験をして学び、それを今夜のレースに活かせました」

「このコースではポジションがとても重要でした。レースがもう数周あれば良かったのですが。しかし、素晴らしいドライバー達と、ダートでの最高に楽しいレースを戦うことができました」

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